サンパウロ=田村剛
2016年4月5日12時17分
政府会計の粉飾に関わったとしてブラジルのルセフ大統領が弾劾(だんがい)を請求されている問題で、同国政府は4日、下院議会の特別委員会でルセフ氏を擁護する弁論を行い、「十分な証拠もなく行われる弾劾はクーデターと同じで、許し難い歴史的な誤りだ」と主張した。特別委は今後、弾劾の是非について報告書を作成。早ければ今月15日前後に、下院で賛否を問う採決が行われる見通しだ。
政府側の弁論は、代理人を務めるカルドゾ元法相が1時間以上にわたって行った。弾劾手続きについて「深刻な不正が行われたとの完全な証拠がある場合に例外的に行われる」と説明。今回の弾劾請求は法的な支えが弱いとして、「憲法に違反するものだ」と強い口調で訴えた。
今後、上下院で3分の2以上が賛成するなどの手続きを経れば、ルセフ氏は正式に罷免(ひめん)され、連立与党を離脱したばかりのブラジル民主運動党(PMDB)党首のテメル副大統領が新大統領に就く。カルドゾ氏は「憲法がないがしろにされるならば、新政府にも合法性はない」と述べた。
ルセフ氏は不正会計への関与が指摘されており、連邦議会が昨年12月、弾劾請求を受理。ルセフ氏は「違法行為には手を染めていない。絶対に辞めない」と否定している。(サンパウロ=田村剛)
おすすめコンテンツ
※Twitterのサービスが混み合っている時など、ツイートが表示されない場合もあります。
朝日新聞国際報道部
PR比べてお得!