伊方原発3号機 使用前検査始まる

伊方原発3号機 使用前検査始まる
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四国電力がことし7月の再稼働を計画している愛媛県の伊方原子力発電所3号機について原子力規制委員会は再稼働に必要な「使用前検査」を5日から始めました。
伊方原発3号機は、原発事故を踏まえて作られた新しい規制基準の審査に去年7月合格し、その後、愛媛県と地元の伊方町が再稼働に同意しています。
5日は、午前9時ごろ、原子力規制庁の検査官たちが伊方原発を訪れ再稼働に必要な手続きの最終段階となる「使用前検査」を始めました。
検査に先立って伊方原発の増田清造所長は、「安全を最優先に一つ一つの検査に全力で対応してまいります」と述べました。
使用前検査では、原発事故を教訓に、四国電力が整備した非常用の電源車や原子炉を冷やす水を注ぐためのポンプなど、およそ400点の設備の状況を確認します。
四国電力は、検査を受けながら、ことし6月下旬にプルトニウムを混ぜたMOX燃料を含む157体の核燃料を原子炉に入れことし7月下旬に原子炉を起動して再稼働させる計画を示しています。
新しい規制基準のもとで使用前検査が行われるのは、すでに再稼働した鹿児島県にある川内原発と福井県にある高浜原発に次いで3か所目で、高浜原発は4号機がトラブルで停止したのに続き、3号機も大津地方裁判所の運転停止を命じる仮処分の決定を受けて停止しています。

原子力規制庁「慎重に検査」

伊方原子力発電所3号機の使用前検査を担当する、原子力規制庁の門野利之首席原子力施設検査官は、「竜巻に備えた対策など、伊方原発3号機に特有の設備などもあるので、1つ1つの設備の状況を慎重に検査していきたい」と述べ、四国電力が示している再稼働のスケジュールにかかわらず、検査を実施していく考えを示しました。
また、先行して再稼働した福井県の高浜原発がトラブルで緊急停止したことを踏まえた対応について「想定外のことも起こりうるという認識で、四国電力としっかり意思疎通をはかって、連携して丁寧に検査を進めたい」と述べました。