北制裁決議:かく乱狙う北が「交渉」に言及

北朝鮮の国防委「交渉が根本的解決策」
中国が「交渉の同時推進」に言及するや、国際社会の協調に亀裂を入れようとしているもよう
「制裁の魔手はあらゆるところに」…苦しいということも暗にほのめかす
韓国国防部「対話を論ずる時ではない」

 北朝鮮が「交渉」の話を持ち出したのは、今回の制裁がかつてとは異なり、北朝鮮の実力者に打撃を与えているからだと解されている。シンガポールの聯合早報は、韓国貿易協会の資料などを引用して「北朝鮮による4回目の核実験以降、安保理の制裁が動き出して北朝鮮の輸出は減少し、北朝鮮経済に直接的なショックを与えている」と伝えた。朝中国境では現在、中国が石炭・鉄鉱石などを中心に通関検査を強化しているという。北朝鮮の事情に詳しい現地の消息筋は「中国が北朝鮮と接する1400キロの国境全てを取り締まることはできないが、金融取引などで北朝鮮を圧迫しているのは事実とみられる」と語った。中国の習近平国家主席が先月31日、ワシントンの核セキュリティーサミットで韓国の朴槿恵(パク・クンヘ)大統領と米国のオバマ大統領に向けて「北朝鮮制裁の全面的履行」を公言したことも、北朝鮮にとっては負担だ。

 米国の時事週刊誌『ニューズウィーク』は最近「北朝鮮の官僚が2月にベルリンで米国の官僚と対面し、終戦宣言、韓米軍事演習の中止、1年間の北朝鮮の核実験モラトリアムなどを提案したが、米国政府は核の廃棄を要求して交渉は白紙となった」と伝えた。事実かどうかは確認されていないものの、北朝鮮が制裁に苦しんでいるという見方と同じ流れの報道、と分析されている。北朝鮮の労働新聞は最近「第2の苦難の行軍」という表現まで使った。

 36年ぶりとなる労働党大会の開催を5月初めに控えている北朝鮮が、局面転換を狙っているという見方もある。韓国政府の当局者は「中国が(北朝鮮)制裁と交渉の平行推進に言及している状況で、北朝鮮は『交渉』という単語により、制裁をめぐる国際社会の協調に亀裂を入れようとしているものとみられる」と語った。労働新聞は4日も「米国の国土がいかに広くとも、われわれの火の雨の前では焦土化の悲劇は免れられない」と脅しを続けた。

アン・ヨンヒョン記者 , キム・ミョンソン記者
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