北制裁決議:かく乱狙う北が「交渉」に言及

北朝鮮の国防委「交渉が根本的解決策」
中国が「交渉の同時推進」に言及するや、国際社会の協調に亀裂を入れようとしているもよう
「制裁の魔手はあらゆるところに」…苦しいということも暗にほのめかす
韓国国防部「対話を論ずる時ではない」

 国連安全保障理事会の北朝鮮制裁から1カ月となる3日、北朝鮮の国防委員会は報道官談話を通して「一方的制裁よりも安定維持が先決であり、軍事的圧迫より交渉の準備が根本的な解決策」と主張した。「史上最強」という安保理制裁からわずか1カ月で、北朝鮮が「交渉」に言及し始めたわけだ。中国までもが同調する北朝鮮制裁が効果を発揮する中、北朝鮮が国際社会の「制裁戦列」を揺さぶるため、かく乱作戦を用いているという分析がなされている。韓国国防部(省に相当)は4日「今は対話を論ずる時期ではないと考える。北朝鮮の誤った行動に対し、制裁を集中すべき時期」とコメントした。

 北朝鮮の中心的権力機関、国防委員会(金正恩〈キム・ジョンウン〉第1委員長)は3日、談話で「(北朝鮮制裁を通した)いらぬ制度転覆より、無条件の認定と協調が出口だという世論が大きく形成された」と主張した。また、北朝鮮の立場を代弁する日本の朝鮮総連の機関紙『朝鮮新報』は4日「米国は、戦争の危機、滅亡の危機を免れたいのなら対話に乗り出すべき」と主張した。さらに国防委員会は、北朝鮮制裁について「空気のようにおなじみのもの。(北朝鮮は)自立・自力・自強で盛り立てていく飛躍を世界に示した」と語った。北朝鮮制裁は特に効果がないのだから、韓半島(朝鮮半島)の緊張緩和のため、米国は交渉に乗り出すべきだという主張だ。

 しかし国防委は、制裁が苦しいという事実をほのめかしてもいた。談話は「制裁騒動は、われわれの暮らしの空間を完全に窒息させることに集中している。世界戦争史上、最も過酷な制裁の代名詞となっていた『レニングラード封鎖』(第2次大戦時のドイツによる封鎖)も、朝鮮半島に形成されたこんにちの情勢には対比すらできない」「制裁の魔手は、われわれが食べ、身に着け、使い、買い入れるあらゆる物の随所に深く入り込んだ」と語った。

アン・ヨンヒョン記者 , キム・ミョンソン記者
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