元慰安婦の遺族、韓国政府を相手取り訴訟

 旧日本軍の元慰安婦の遺族が、韓国政府を相手取って補償金を求める訴訟を起こした。

 法曹界関係者が4日語ったところによると、2010年に死去した元慰安婦の息子Aさんは今年1月、女性家族部(省に相当)長官を相手取り、5000万ウォン(約480万円)相当の補償金を求める訴訟をソウル行政裁判所に起こした。

 Aさんは訴状などで「政府は元慰安婦たちの面倒を見ていく上で、少しの隙もあってはならないと同時に、被害者の子孫に対してもおろそかにすることはあってはならない。元慰安婦の遺族に対しても、存命の元慰安婦たちと同等の補償を行うべきだ」と主張した。

 またAさんは「政府は元慰安婦たちに対する支援を行っているというが、それは生存している方々に限った話だ。亡くなった元慰安婦の家族には会おうともせず、慰めの言葉もかけず、無責任な態度を取っている」と指摘した。

 また「大統領は日本政府と合意したからといって、あたかも解決したかのように国民にアピールしている。現在に至るまで何ら解決することなく、元慰安婦たちは一人、また一人と亡くなっているのに、政府の態度には怒りを禁じ得ない」と主張した。

 これに対し女性家族部側は、Aさんの訴えを棄却するよう求める意向を表明した。同部は答弁書で「韓日間で慰安婦問題について合意し、日本政府から10億円の基金が拠出される予定であり、韓国政府は財団を設立してその基金を運用していく計画だ」と述べた。

 その上で「基金は全面的に被害者のために使われる予定であるので、被害者の方々の意思が反映されることが重要だ。意見を最大限尊重した使い道を決めていく」と説明した。

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