天邪鬼な性格が災いし、周りが評価するものに背を向けてきた。おかげで、とんでもなくつまらない人生になってしまった。もし、生まれ変われるのなら皆様と喜びや楽しみをシェアできるような綺麗なハートを持った人間になりたいと思っている。
食べ物についても例外ではない。皆が「これは最高だ」「ソウルフード!」と高評価するものを回避してきたので、妙に味気のない半生になってしまった。反省。今回訪れた「中華四川」さんのタンタン麺はまさしくその典型で、僕が高校生の頃にはすでに地元では美味しいと評判のお店であったけれども、天邪鬼な性格が邪魔をして、「俗だ」「流されているだけじゃね?」という具合にクールを気取っているうちに、ただの小汚い中年になってしまった。本当はずっと食べたかったのに…。この数年のうちに中華四川のタンタン麺は小田原系タンタン麺として全国的な人気を博すようになった。なんという失態だろうか。妻からも「ずっと神奈川に住んでいて四川のタンタン麺を知らないなんて…恥ずかしくないのですか…」などと三行半を突き付けられる始末。
今回、四川さんのタンタン麺を食べに行ったのは汚名挽回、人生回復のためでもあったのだ。小田原の郊外にあるお店は平日の午後でも大盛況であった。
麺メニューは潔くタンタン麺オンリー。「タンタン麺お持ち帰りできます。鍋持参でお願いします」の貼り紙が熱い。
辛さを「A 甘口」「B 一般向き」「C 辛口」「スペシャルC 特別辛口」の4種類からセレクトできるようになっている。今まで攻めの人生を送ってきた僕は、迷うことなく「B 一般向き」と又焼を選ぶ。
ドーン。これが又焼である。チャーシューメンがメニューにないのにチャーシューがメニューにある謎はさておき、ジューシーで美味しい。厚さはあるけれどもトロトロに煮込んであるので柔らかくて食べやすい。豚肉の優しい甘みも〇。
タンタン麺(B 一般向き)ドーン! 見た目が見慣れた担担麺と異なり驚かされる。ホンモノのソウルフードはシンプルだ。コテコテに具材をのせるようなことはせず、味で勝負する…と自分を納得させながら具材は?具材は?と具材を探し求めるのは凡人なのだろう。
見ろ。麺が浮いているぞ!見た目の違和感の正体は麺が浮いていることであった。自家製のちじれ麺がスープの上に浮いているのである。ひき肉とザーサイとニンニクの入った餡かけのようなトロミのあるスープに麺をほぐしながら混ぜて食べていくのである。普通のラーメンの逆なのである。タンタン麺のスープにトロミがついているのは斬新だけどあり。
タンタン麺にトロミ?と思いきや、ちぢれ麺にトロトロのスープが良くからんで本当においしいし体が温まる。餡かけタイプのラーメンは食べるのにちょっと…という人はいるかもしれないけれど(実は僕もそう)、このタンタン麺はがんがん食べ進めることができる。
さすが地元神奈川・小田原のソウルフードである。若い頃だったら替え玉追加でまた違う楽しみ方が出来ただろう。やはり定番というか評価が高いものというのは素直に受け入れることが大事なのだろう。小田原のソウルフード「中華四川」のタンタン麺超おすすめなのである。なお、今回のレポートにおいてカメラマン兼助手役の妻の姿が見られないのは、夫婦間の事情でございますので詮索はご遠慮願いたい。
今回のお店
書いちゃった人
フミコフミオ
海辺の町でロックンロールを叫ぶ不惑の会社員です。90年代末からWeb日記で恥を綴り続けて15年、現在の主戦場ははてなブログ。内容はナッシング、更新はおっさんの不整脈並みに不定期。でも、それがロックってもんだろう?ピース!
ブログ「Everything you've ever Dreamed」:http://delete-all.hatenablog.com/
ツイッター:https://twitter.com/Delete_All