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印南敦史印南敦史  - ,,,,,  06:30 AM

営業リーダーが「やってはいけない」3つのこと

営業リーダーが「やってはいけない」3つのこと

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営業リーダーは「仕事」をするな! ~結果を出したいリーダーがやってはいけない37のこと』(世古誠著、あさ出版)の著者は、営業マネージャー研修やセミナーなどを数多く手がける人物。しかし近年は、営業リーダー研修を依頼されることが増えているのだそうです。

その理由として、これまでは単に販売実績を伸ばせば良かったけれども、近年は販売実績があるだけでは営業リーダーとして認められなくなっていることがあるようです。
営業成績を出し、顧客からも信頼され、部下育成も自分のことのように行い、マネジメント業務もきっちりこなす。そういう人物が上司からも部下からも営業リーダーとして認められる時代になったのです。
(「はじめに」より)

つまりは、ひと昔前の理想の営業リーダー像とは変わってきているということ。今後の営業リーダーが目指すべき姿は、「管理しなくても仕事を進めることができる人を育てること」なのだといいます。そこで本書では、そんな営業リーダーを目指すため、「マネジメント」「部下育成」「リーダーの役割」という3つの観点から、リーダーが「やってはいけないこと」に焦点を当てているわけです。

I「マネジメント編」から、いくつかを抜き出してみましょう。


1. やってはいけない → できる限り自分でやる


ここで著者は、「上司から重要なミッションが指示された場合の身の振り方」について読者に問いを投げかけています。そのミッションは1カ月で結果を出す必要があるものなのですが、ひとりで取り組むと他の仕事を捨てることになる作業量だというのです。さて、チームには5名の部下がいるとして、次のどれを選ぶでしょうか?

1. 自分がリーダーになり、分担して取り組む
2. 部下のひとりをリーダーに任命して、取り組ませる
3. 部下に説明する時間がもったいないから、自分でやり切る
(18ページより)

1.は悪くはないものの、これを繰り返すと次のリーダーが出てこないため、人材育成という観点からは最善ではないのだとか。3.のような選択が必要な局面もあるでしょうが、いつもそのような選択では大変。つまり2.が理想だということになりますが、その際の前提は、5名の部下を信用していること。そうでないと、なかなかこの判断はできないものでもあるというのです。

大切なのは、勇気を持って「任せてみる」という決断をすること。それが部下の育成になるということであり、3.や1.の選択ばかりをしているリーダーは、部下の育成の機会を奪っていると考えるべきだといいます。

リーダーである以上は部下よりも優秀なのですから、部下に任せるよりも自分で遂行したほうが早いのは当然の話。しかし、現実的にはひとりでできない場合も多く、また限界もあるでしょう。それにリーダーである人は、数年後にはもっと責任あるポジションを担うことになるはず。そう考えれば、かわりに営業リーダーを務めてくれる人材を育成しておくことが、もっとも重要な任務であるということになるのです。

ただし、任せたあとはきちんと見守ることが必要。任せるとは「一任する」ということで、任せたきりなにもしないのでは「放任」になってしまうわけです。いわば任せるとは、「我慢をして見守る」こと。そして必要に応じ、指示や命令ではなく「助言」をする。答えをいわずに考えさせることが、部下の能力を高めるということです。(18ページより)


2. やってはいけない → 結果について指導する


営業リーダーの重要な役割のひとつが、マネジメント業務。しかし営業リーダーには数字という結果が求められるため、どうしても結果を意識したマネジメントになってしまうもの。だからこそ、どのようにして結果をうまく出すのか、それを導くのがマネジメントだということになります。

しかし実際の営業マネジメント現場でよく目にするのは、出てきた結果だけをあげつらうような場面だと著者は指摘しています。それ自体は悪くないとはいえ、とはいっても結果はあくまで結果。出た結果に対する指導やマネジメントをしたところで、結果そのものが覆ることはないのです。

だからこそ、「結果をうまく出せるように導く」のがマネジメント。だとすれば、その過程を明らかにして指導しない限り、よい結果が出るはずもありません。そこで、結果そのものについてのマネジメントではなく、未来・将来に対するマネジメントを行うべきだということ。

そして、そのようなマネジメントに必要なのは「過去は変えられないが、未来は変えることができる」という発想。そのためには、結果に至る「行動」をよい方向に変える必要があるといいます。ちなみにこの場合の「行動」とは、行動の数(回数)、方向性、質を統合したものだそうです。

行動を変えるためには、「どのように考えてそうした行動をとっているのか」を把握することが必要。人はなんらかの「目的意識」や「考え」に基づいて行動するもの。そこで「目的意識」や「考え」を可視化し、よい方向へと導くことが営業マネジメントの原点そのものなのだと著者はいいます。

結果を管理するマネジメントではなく、結果に至る行動、さらには行動の背後にある思考に焦点を当ててマネジメントすることが必要だということです。(23ページより)


3. やってはいけない → 毎日ミーティングを行う


朝早くに朝礼を行っている企業は、決して少なくないでしょう。毎朝1時間くらい、全員が参加してミーティングをしているオフィスもあり、その間にお客様からかかってきた電話などへの対応は後回しになったりします。

ところが著者はあえて、「毎日のミーティングって本当に必要ですか?」と自問すべきだと主張しています。意味のあるミーティングであれば、それは毎朝でも行うべきでしょう。しかし多くの場合ミーティングは、個別の営業活動報告を長い時間をかけて行い、そこに上司が指示をするという程度のものであるはず。しかも個別の営業活動報告には上司の質問などが間に入るため、非常に時間がかかってしまうわけです。

そこに無駄が多いのは、火を見るより明らか。そこで著者は、もし自分がそのグループの営業リーダーだとしたら、毎日のミーティングは廃止して、週1回のミーティングだけにすると記しています。

また、部下の営業活動報告とそれに対する報告・指示にはITツールを用い、その内容は他のメンバーがいつでもどこでも見られるように改善するとも。なぜならその改善により、

1. メンバー全員が毎日のミーティングに費やしている時間を営業活動の時間として活用できる
2. ITを活用することで、いつでもどこでも営業活動報告ができるようになり、時間効率が格段にアップする
3. 他のメンバーの営業活動内容がいつでもどこでも確認でき、営業活動の参考になる
4. 営業リーダーは、時間と場所を選ばず指示を出すことができる
5. 営業報告内容や上司の指示内容が会社の情報源として残る
(36ページより)

という5つのメリットが生み出されるから。

そして週1回行う"リアルの"ミーティングは、メンバー全員に参考にしてほしい事例商談や、メンバー全員で進め方を考えなければならないような商談をピックアップし、議論をする時間にするといいます。すでに基本的な商談内容はITツールで共有されているわけですから、ミーティングの内容はさらに踏み込んだ内容が議論されることになるというわけです。そして、特に意識して議論すべき内容は、

1. 参加者が知っておくと有益な情報の共有
2. 次の進め方が少し難しく、参加者全員で考えることでアイデアが出てきそうな商談
3. 参加者全員で方向性を確認しないといけない取り組み
(36ページより)

の3つだとか。このような議論を突っ込んで行うことにより、「単に聞いているだけの時間」が、「自ら意見を出して参加する時間」へと変化するというわけです。

ミーティングの質を変えれば、意見やアイデアが活発に出てくるようになり、そのように誘導する営業リーダーの力量も重要になってくるといいます。そして重要なのは、ミーティングの意味を営業リーダーがしっかりと認識すること。せっかくのミーティングなのに営業リーダーの独演が延々と続くようでは、意味がないということです。つまりミーティングは、参加者全員の知恵を活かす場であるという意識で進めるべきだという考え方。(34ページより)




これらはほんの一部ですが、このように「やってはいけないこと」という角度から考え方を述べているため、解釈しやすい内容。リーダーシップについて思うところがある方にとっては、きっと参考になるはずです。


(印南敦史)

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