リマ=田村剛
2016年4月5日08時23分
10日に投開票される南米ペルーの大統領選で、フジモリ元大統領の長女ケイコ・フジモリ氏(40)が支持率首位に立っている。かつて貧困対策やテロ撲滅を進めた父親の功績が人気を後押しする一方、「汚職」や「独裁」といった負のイメージから強い拒否感も広がる。当選すれば、女性大統領と親子2代の日系人大統領はともに初めて。父の功罪を巡る評価が結果を左右しそうだ。
「私は過去20年間、ペルー全土を回ってきた。皆さんが抱える問題をよく知っているし、解決もできる」。首都リマから車で約1時間の町マンチャイ。3月31日、砂ぼこりが舞う広場でケイコ氏が叫ぶと、聴衆から大歓声が上がった。
ケイコ氏は、1990年から10年にわたって大統領を務めたアルベルト・フジモリ氏を父に持つ日系3世。父の現職時代には19歳からファーストレディー役を務め、一緒に各地を回った。現在は最大野党フエルサ・ポプラルの党首で、ウマラ現大統領に決選投票で敗れた2011年に続き、2度目の出馬だ。
3日発表の民間調査会社イプソスの世論調査によると、中道右派のケイコ氏の支持率は34・4%。主要候補6人の中で、2位以下に2倍以上の大差をつけた。ただ、当選には過半数の得票が必要で、上位2候補による6月の決選投票に持ち込まれる可能性が高い。
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朝日新聞国際報道部
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