レスター・シティは昨季プレミアリーグの残留争いを演じながら、今季は誰もが驚くほどの大躍進。残り6試合を残し、2位トットナムに勝ち点差7をつけ、奇跡の初優勝に向けて突き進んでいる。
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英国のブックメーカーは今季開幕時、タイトル争いでレスターを「超大穴」と予想。優勝オッズを5001倍に設定していたブックメーカー各社は、レスターが奇跡のリーグ制覇を果たした場合に総額1400万ドル(約16億円)の損失を見込んでいることが明らかになった。米スポーツ専門テレビ局「ESPN」が報じている。
イングランド代表FWジェイミー・ヴァーディ、アルジェリア代表MFリヤド・マフレズの二枚看板に加え、日本代表FW岡崎慎司ら攻守に絶大な運動量を誇るレスターは、高速カウンターを武器に予想外のハイペースで勝ち点を積み上げてきた。
世界に名だたるビッグクラブが幅を利かせるプレミアリーグで、優勝経験のない“中小クラブ”による奇跡の大躍進に全世界が注目するなか、ブックメーカー各社は悲鳴を上げている。大手ブックメーカーの「ウィリアム・ヒル」社のグラエム・シャープ広報担当によれば、レスターの優勝によってブックメーカー各社は総額16億円の支払いを余儀なくされるという。
「ギャンブラーにとっては、おとぎ話は実在するということでしょうが、ブックメーカーにとっては悪夢が現実になろうとしています」
同社で、開幕時点でレスター優勝の5001倍に賭けていた猛者は25人。優勝の可能性が高まるにつけ、同社では払い戻しを前倒しすることで損失を軽減しようとしているという。4月1日には2830倍の支払いを、2日には2902倍の支払いをそれぞれ提案。そして3日のサウサンプトン戦に1-0と勝利した後には3280倍の支払いを提案。なんとか優勝決定時に支払うべき5001倍からの損失軽減に向けて、必死に動いている。そして「ウィリアム・ヒル」社の働きかけに、約3割が前倒しに応じているという。
ラスベガスのブックメーカー、「ウィン」社のジョン・アベッロ氏は、5001倍という掛け率を「歴史的」と分析している。「他のスポーツで、このオッズは普通提供できない。他のどのスポーツのチームも、(前年の)プレミアリーグ最下位のチームが優勝する可能性を上回るチャンスを持っている」と説明している。
現時点でレスターの優勝に掛けると1.36倍と超本命のオッズとなっている。ギャンブルの殿堂ラスベガスも震撼させる、レスターの「5001倍伝説」。2015-16シーズンの王者となった暁には、後世に様々な逸話を残すことになりそうだ。
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
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