ドラゴンクエストでは何か事件が起きて困っている村人に話しかけた時などに「お願い助けて!」と頼まれることがあります。
その際に大抵「はい」と「いいえ」の選択肢が表示され、プレイヤーはそれを選ぶことができます。
ドラクエの場合、そういう時に「いいえ」を選ぶと「そこをなんとか!」みたいなメッセージが表示され、改めて「はい」と「いいえ」を選ぶことになります。
そこでもう一度「いいえ」を選んでも、やはり「そこをなんとか!」となり、三たび「はい」と「いいえ」が表示されるのです。
つまり、実質的には「はい」の選択肢しかありません。
そのため「いいえ」を選んだ時のリアクションが見たくなり、私がドラクエをプレイしている時はまず「いいえ」を押すのが習慣になっていました。
ドラクエは基本的にそういう作りになっており、「はい」と「いいえ」による分岐はなかったと記憶しています。
(もちろんフローラとビアンカみたいな後の結果が分かれる選択肢もありますが。皆さん、あの時は凄く悩まれたのではないですか?)
しかし、ドラクエ風のRPGとかで同じようなことをやると普通に「いいえ」を選べることがあり、その場合ストーリーはそちらのルートに入ることになります。
ドラクエに慣れすぎるとこういう時にちょっと戸惑ってしまいます。
一番たちが悪いのは、「いいえ」を選んだ際に表示されるセリフが変わっていくタイプです。
上の例で言うと、
「そこをなんとか!」
→「いいえ」
「こんなにお願いしているのに駄目なの!? あなた強いんでしょう!? 助けてよ!」
→「いいえ」
「お願い、何でもするから!! 早くしないとみんなが……!」
→「いいえ」
このようにセリフが変化していくタイプです。
遊んでいる側としては、やはりそういうセリフを全て見たい。
それだけの一心で「いいえ」を押し続けてしまうのです。
大抵はやがて「お願い、何でもするから!! 早くしないとみんなが……!」が繰り返し表示されることになり、ニヤニヤしながら「いいえ」を連打していた私は「そろそろいいかなw」と満足して「はい」を押すのですが……。
ここでたまに、いきなり「そう……分かった……あなたはそういう人なのね……」みたいなメッセージが表示され、「いいえ」の選択肢を選んだ場合の物語が進行しはじめることがあります。
そんな時は「ちょっと待って今の無し!」と慌てることになります。
しかし私の後悔はすでに遅く、目の前で村が壊滅したりします。
私のパーティーは強いので普通に村を守ることが出来るのにです。
これでは私が鬼畜のように思われるではないですか!
必死に助けを求める少女を何度も足蹴にして!
違うんです!
私も本当は村を助けたかった!
「いいえ」を押していたのはただ単に彼女の反応を見たかったから。それだけなのです!
そういう時に限ってセーブしたのはかなり前の時点であり、リセットすることも出来ずにモヤモヤした気持ちのまま冒険を続けることになるのです。
人生は決断の連続であり、「はい」を選んだ場合も「いいえ」を選んだ場合もその結果に対する責任が伴います。
もちろん、現実世界にリセットボタンはありません。
人は決断を下すたびに精神的に疲労していき、やがて『決断疲れ』なるものを起こしてしまうそうです。
しかしドラクエで「はい」と「いいえ」が表示される時は、大抵最終的に正しい選択肢しか選ぶことが出来なくなるため、安心してプレイすることができます。
ドラゴンクエストが支持されるのは、「いいえ」を選ぶちょっとした遊び心も許容してくれるおおらかさがあることと、そして「いいえ」を選んでも最終的にプレイヤーは正しい道を歩めるからではないでしょうか。
「はい」と「いいえ」は注意して扱いましょう
「はい」と「いいえ」で遊ぶには、まずそのゲームがプレイヤーの遊び心を許容しているかどうかを見極める観察眼が求められます。
ゲームによってはその選択肢ですぐに進路が分岐しますので、そういうゲームの場合は選択肢で遊ぶのはやめておいたほうが無難でしょう。
特にメタルマックスシリーズのようにいきなりエンディングが始まったりとかな!
タクティクスオウガに至っては「僕もその手を汚しましょう」と答えると本当にバルマムッサでその手を汚すことになるので選択肢は慎重に選びましょう。
現実の世界でも同様です。
「はい」と「いいえ」で人生が大きく分岐することを忘れないようにしましょう。
おしまい。