山本亮介
2016年4月5日05時02分
障害を笑いに変えようと挑戦する人たちがいる。障害が笑えないのはどうしてなのか。障害がある人とない人の間にある壁を問い続ける。
《デブやハゲは笑ってOKで、障害がNGなのはなぜか》
テレビ朝日で昨年末にあった漫才大会「M―1グランプリ」の放送終了後、こんなツイートが流れた。
優勝した2人組のトレンディエンジェルはそろって薄毛。その容姿を武器に勝ち上がったのを受けた投稿だ。リツイート(転載)は2千を超えた。
お笑い芸人のあそどっぐ(37)=本名・阿曽太一、熊本県合志市=は一人暮らしのアパートでパソコンの画面を見つめた。「僕がもっと面白かったら、このツイートもなかったのかなぁ」
全身の筋力が低下する難病で、顔と左手の親指以外は動かせない。自称「お笑い芸人界初の寝たきり障害者」。ヘルパーの手を借りて横になったまま、毎日、動画投稿サイト「ニコニコ動画」でトークを生放送し、月に1回程度、お笑いライブに出る。
つかまり立ちした赤ん坊と自分を比べる自虐ネタなど、障害も笑いの素材だ。舞台に立ち始めて2年。ファンもついたが、登場した途端、客席が凍り付く経験はしばしばだ。
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