ヴァージン・アメリカ(ティッカーシンボル:VA)がアラスカ航空(ティッカーシンボル:ALK)に57ドルで買収されることが決まりました。これは金曜日の引け値より+47%プレミアムです。

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ヴァージン・アメリカは英国の富豪、リチャード・ブランソンの事業のひとつです。サンフランシスコをハブ空港としており、西海岸と東海岸を結ぶ長距離ルートに力を入れています。

平均区間距離が長いということは、それだけ離着陸の頻度が低いことを意味し、コスト面からは有利です。

同社の機材はエアバスであり、アラスカ航空は主にボーイングを運航しています。

その意味ではメンテナンス面でのシナジーはありません。しかしヴァージン・アメリカはそもそもメンテナンスを外注しているので、どの航空会社に買収された場合でも、メンテナンスコストに与える影響は限定的だっただろうことが推察されます。

アラスカ航空はシアトルを中心とした西海岸に強いです。同社のルートとヴァージン・アメリカのルートは重複が少なく、理想的な組み合わせです。シアトルはアマゾン、スターバックス、コストコ、マイクロソフトなどの企業の本拠地であり、発展著しい地方都市のひとつです。

またアラスカ航空はバランスシートが綺麗で、強い財務力を誇っています。

つまり今回の買収は、強い者同士が一緒になったというわけです。

今後の注目点としては、ヴァージン・アメリカというユニークなブランドと、アラスカ航空という、これまたユニークなブランドのそれぞれのイメージを、どう維持してゆくか? ということに尽きると思います。