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 沖縄の知人と「上履き」が話題になった。遠い昔に学びやで履いたアレだ。「中学から上履きはなかった」という。沖縄県では校舎内でも「外履き」で過ごす学校が少なくないらしい。なぜなのか?

 那覇市に隣接する浦添市。900人超の生徒が通う県内屈指の大規模校、仲西中を訪ねると、玄関にはげた箱がなく、がらんとしていた。教室の中の生徒はそろいの制服やジャージー姿だが、足元を色とりどりのスニーカーが彩る。

 学校によると、15年ほど前までは生徒らは上履きを履いていた。道路の舗装が進んで靴が汚れにくくなり、学用品購入にかかる家計負担を減らす目的もあって上履きをやめたという。女子生徒(14)は「最初は少し戸惑ったけれど、慣れました」。市教委によると、全11小学校で上履きを使い、中学校は全5校で校舎内でも外履きを履いているという。

 県内11市や学校に尋ねたところ、小学校はおしなべて上履きだった。中学校はうるま、沖縄、宜野湾、糸満の4市は全校で上履きだが、外履きが混在する市も多く、那覇市は全17中学校のうち13校が外履き。ある市の担当者は、靴箱が要らないので「盗難やいたずらの恐れもない」と話していた。県立高校は外履きが主流だ。