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■白昼夢イデア
空っぽの手を開いて
生温い風掴んで
午前9時前の地下鉄 揺られる
昨日と変わらぬ今日だ
路地裏上手くたどって
信号機避けて行くんだ
携帯片手に欠伸をこぼした
昨日と変わらぬ僕だ
新鮮だった景色もいつか 当然の繰り返しになって行く
そうやっていくうちに欠けていた 隙間さえも埋められていく
いつだったっけ ドアを叩いた はじまりの言葉も思い出せない
遠ざかる足音 かき消すように別の足音が並ぶの
紡いだ時間をどうやって夢の中に溶かせばいいの なんてさ
目を伏せていても 色が 視界を塗りつぶして 嘲笑うんだ
日照り雨に手を翳して こんな日常でも廻っていくんだねと
揺らめいた青い丘の上で 淡い白昼夢に呑まれてくんだ
季節は移り変わって
冷え切った風を蹴って
午前9時前の地下鉄 揺られる
昨日と変わらぬ今日だ
白く染まる商店街
信号待ち退屈だ
携帯片手に身体を縮める
昨日と変わらぬ僕だ
鮮明だった記憶もいつか 曖昧な繰り返し 濁っていく
そうやっていくうちに手放した心 黒く染まっていくの
「いっそ出会わなきゃ良かった」って 遠ざけた本音に肩を握られ
遠く響く足音塞ぐように 別の足音と駆けるの
伸ばした手は空を掻いて 荊棘まみれの声に縛られて
耳を塞いでも それが 自分の内側から囁くんだ
日照り雨に手を翳して それでも日常は廻っていくんだよと
錆び付いた扉に鍵を掛け 淡い白昼夢を振り返るんだ。
鎖で繋いだ言の葉も 瓦礫の中聞こえた耳鳴りも
青い丘の猫 枯れた紫苑も 鏡の中の君もそうか
日照り雨も今は止んで 錆びた歯車もう廻る事は無いの
淡い白昼夢にさよならを
束ねた地図 忘れないよ 僕一人じゃ描けなかったんだ だから
そこで見た色も 声も 足跡の上ずっと残ってるんだ
朝焼けにそっと手を振って 綺麗事だって構わないさ こんな空も
2番ホーム 聴き慣れた音が 今日も日常へ繋いでいくんだ
満員の車内で独りきり 過ぎ去った夢を今も見てるの
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