山梨の代表銘菓と言えば、言わずと知れた桔梗屋の「桔梗信玄餅」。誰しも一度は口にしたことがあるでしょう。こぢんまりとしたフォルムに詰め込まれたボリューミーな餅に黒蜜を垂らし、きな粉まみれになりながら口いっぱい頬張るあれです。
北海道銘菓である六花亭の「レーズンバターサンド」と並んで大好物なのですが、いかんせん桔梗信玄餅は食べる時と場所を選ぶから悩ましい。どんなに上品に食べようとも、辺りにきな粉が飛び散るし、手は黒蜜でベタベタします。あれは職場のお土産でもらったからといって、デスクの上で食べてはいけません。家に持ち帰って、1人至福の時を味わうのが一番です。
そんな桔梗信玄餅が、なんとクレープになって販売しているという。餅もきな粉も黒蜜も全部が1つになって薄皮に包まれているのであれば、なんと食べやすいことでしょうう! 早速ネットで調べると、サービスエリアやパーキングエリア、オンラインショップで購入可能とのことだが……もっと購入しやすい手段はないのかと検索していると、新宿御苑の売店で買えるという。
レッツら新宿御苑!
ということで、ピクニックがてら、桔梗信玄餅クレープを食べに新宿御苑に行ってきました。今回は筆者が体を張って初顔出しで挑みます。
新宿御苑マップで購入可能場所を確認!
園内にはいくつか休憩所があり、そこに併設して売店があるようです。写真の赤丸印のついたところがそれです。かなり広大な敷地なので、事前にどの売店で購入するか決めてから歩き回ると効率的。と、かなり歩き回った後に気がつきました。『メシ通』読者の皆さんは、ぜひこの写真を参考にしてください。
売店を発見!
売店には「桔梗信玄餅クレープ」という紫色の旗があり、絶賛売り出し中だということがわかります。早速購入。
ここで初めて気がついたのですが、「桔梗信玄餅クレープ」は原宿・竹下通りのマリオンクレープのような扇状のものではなく、細長い春巻き状で、しかも冷凍クレープだったのです。もはやクレープではなくて、アイス……? ボリューム的には「あんずバー」をひと回り大きくした程度の小ぶりなもので、1つ270円とやや割高感が否めません。
だがしかし、晴天に恵まれ絶好のピクニック日和の今日、こいつを3時のおやつとしてお迎えできて何より。きな粉まみれになることも黒蜜で汚れることも気にせず、なんなら片手でひょいと食べられるお手軽感は画期的と言えます。
大きさの比較としてはこんな感じ。余談だが、晴天過ぎて目に日が刺さり死ぬかと思った命がけの一枚です。
包装をむくと、ひょろながいクレープの登場です。冷凍庫から出して5分ほど置いたら食べごろだそうです。確かにこのままだと硬そう。
5分経過したので、いざ実食!
ぱくっ。
……美味~~!
……ん?
でもこれ、もはや桔梗信玄餅とは別物な気がしてきました。桔梗信玄餅を食べているというよりかは、和風クレープを食べている感が強いのです。
断面図。中に餅とホイップ、黒蜜、きな粉が入っているのがおわかりいただけるでしょうか。たくさんのホイップと、クレープと同じ長さの長い餅が入っています。
黒蜜とホイップの甘みが全面的にきます。皮は薄すぎず厚すぎずちょうどいいのですが、食感は冷凍のせいかあまり柔らかくない……。うーん、ちょっと思ったものと違ったかも。桔梗信玄餅感は抑えめでありますが、これはこれでおいしい。
まあ何にせよ、片手で汚さずに食べられるのはうれしい。こんな風に陽だまりの中、ぼーっとしながら桔梗信玄餅を食べることなんて、今まで出来なかったのだから。通常の桔梗信玄餅を食べるときに流れる緊張感は、ここには存在しません。
もぐもぐ。
晴天過ぎてもう目が限界だったので、そそくさと完食。ごちそうさまでした。
スーパーやコンビニではなかなかお目にかかれない「桔梗信玄餅クレープ」、新宿御苑の花々や紅葉など美しい景観を見がてら、ぜひ食べてみてはいかがでしょうか。
基本情報
新宿御苑
住所:新宿区内藤町11
電話番号:03-3350-0151(新宿御苑サービスセンター)
開園時間:9:00~16:00 (16:30閉園)
休園日:月曜休(祝日の場合は翌平日)年末年始(12/29~1/3)
特別開園:春:3/25~4/24 、秋:11/1~11/15 は休まず開園
*禁止事項:酒類持込禁止、遊具類使用禁止
ホームページ:http://www.env.go.jp/garden/shinjukugyoen/
書いた人:
藤田佳奈美
セーラームーン世代。幸せに満ち足りた時よりも、おセンチだと筆が進むタイプ。未婦人の頃から「婦人公論」が愛読書。蕎麦に熱燗の組み合わせと、台所で料理しながら飲む麦酒が好き。かわいい系のアルコールって肴に合わないよね?