時がきた?海外メディアが「EDMの死について言及」
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Written by Jun Fukunaga
今年のUltra MIAMIが先月大盛況のうちに終了した後に、衝撃的なニュースが舞い込んできた。それは現在も空前のブームを継続中と思われていたEDMブームの終焉を予感させるようなファンにとってはショッキング、アンチにとっては朗報とも言える今後、世界中で大いに議論されるような記事が海外有力メディアに掲載されて話題となっている。
それは海外メディア「Page Six」がEDMの聖地であり、象徴であるアメリカ・ラスベガスではなんと膨れ上がったEDMシーンに対してついにというか、今更?な声が上がり出してもおかしくない「とある疑問」が湧き上がってきているという。
その衝撃の記事内容は、ブームによって莫大な出演料をもらっていた所謂EDMスター達の当地ホテルと年間契約金は、契約更新の際に50%も削減されており、理由は関係者たちのEDMに対する疑問、ブームが作り上げた風潮への不満により、その価値の見直しが図られているというものだ。
これを受けて、英国メディア「Fact」は「EDM is Dead」(EDMの死)という文言をつけたタイトルでこのラスベガスの現状を伝える記事を公開。Page Sixの内容を引用し、今回の背景を報じた。それによると、今月28日ラスベガスにクラブを新規オープンさせるカジノホテルWynn Las VegasのCOO、Sean Christieは、なんと「EDMのDJを重宝する時代は終わった」と語っており、この新クラブでは、従来のラスベガスシーンのようにEDMスター達に大金を払ってまでブッキングすることはせず、もっとその場にいる人々が会話や雰囲気を楽しめるVIPルームの設置などを軸にしたラグジュアリーな場所とする意向を示している。
こういうのにうんざり?
また、別のクラブではもっとこの問題に対し、切り込んだ発言をしており、「違いがわからない数人のDJに莫大なギャラを支払う必要はないのでは?という疑問を持ち始めている。なぜならラスベガスではもうそういったDJにみんなが飽きてきている」と発言。さらにEDMの象徴的クラブであるXSのディレクターJesse Waitsは、「私たちはモンスターを生み出してしまった。EDMのファンはただDJを見たいだけで、本来ならクラブ遊びには必須とも言えるドレスアップはしないし、自分のスタイルも持っていない「ナイトクラブ」というものに造詣が深くない人々だ。彼らはただ“コンサート”が見たいだけ。そもそもナイトクラブは本来素敵な人たちが集まる場所なのに、彼らは正直遊び方も知らないダサい人々。私たちは「大人の遊び方がわかる」人のためのナイトクラブを作っていきたい」と語っている。
今年に入り、EDM関連の大手イベントプロモーション会社SFXが破産、またこのシーンの象徴たる、Aviciiが活動休止を表明するなど、にわかに暗雲が立ち込めつつあるこのシーン。日本ではまだまだ9月に行われるUltra Japanを心待ちにしている声は止むことはないものの、どうやら膨張しすぎた感があるこのシーンの根元から、その価値を見直していきたいという願望があるようだ。
こういう「パリピ」はもうダサい?
運営側もあまりにも誰でもウェルカムになりすぎたシーンを再ブランディングして、ナイトクラブ、ナイトライフの「価値」の維持をしたいという意向が見える今回の聖地からの発言は世界のEDMファンだけでなく、クラブ関係者、ファン全てにとって大いに議論される、もしくはしたい内容に間違いないはず。
個人的な意見を言えば邪推だが「大人」の遊び方がなくなった=90年代初頭の「ハシェンダ」破綻の理由のひとつと近い気がしなくもない。。。要は「価値」と「費用対効果」と「ビジネス」のせめぎ合いの末の結論といった気が。
EDMファンにとっても今後の動向が気になるところだが、このブームの終焉が迫りつつある感じは以前のElectroブームの末期に少し似ている気がしなくもない。ただ、A-Trak、Steve Aoki、Diploなどは今も生き残り、シーンの最前線で活躍しているという事実から考えるとEDMスターの何割かは昔”EDM”と呼ばれた新しい呼称の中でも生き残るはず。
こういった聖地の状況は、世界中のダンスミュージックシーンの勢力をどう変えていくのだろうか?現在EDMシーンがお茶の間に浸透しつつある日本の今後が気なるところだ。
浸透しつつある日本の現状の一例
インターネットを通して、もはや音源が限りなく「無料」に近い価値で取引される昨今だからこそ、問われる音楽の価値。体験を与えるクラブの現場でも、膨張しすぎて、消費され尽くした「安っぽくなった」ものはもはや不要で、今こそ、しっかりとお金を出してでも体験したいものを提供するカルチャーを作る必要性と、そういうものを提供する必要があると運営側がその価値を見直す時期が来たのかもしれない。その辺りはEDMが死のうが生きようがクラブカルチャー全体に言えることだろう。ただ、こういう時にこそ、本当にEDMが好きなファンには一目散に見切りをつけず、サポートを続けていって欲しいものである。使い捨てにされる「カルチャー」ほど悲しいものはないのだから。
ファンならこの光景を毎年拝めるようにサポートを!
今年のUltra MIAMIが先月大盛況のうちに終了した後に、衝撃的なニュースが舞い込んできた。それは現在も空前のブームを継続中と思われていたEDMブームの終焉を予感させるようなファンにとってはショッキング、アンチにとっては朗報とも言える今後、世界中で大いに議論されるような記事が海外有力メディアに掲載されて話題となっている。
それは海外メディア「Page Six」がEDMの聖地であり、象徴であるアメリカ・ラスベガスではなんと膨れ上がったEDMシーンに対してついにというか、今更?な声が上がり出してもおかしくない「とある疑問」が湧き上がってきているという。
その衝撃の記事内容は、ブームによって莫大な出演料をもらっていた所謂EDMスター達の当地ホテルと年間契約金は、契約更新の際に50%も削減されており、理由は関係者たちのEDMに対する疑問、ブームが作り上げた風潮への不満により、その価値の見直しが図られているというものだ。
これを受けて、英国メディア「Fact」は「EDM is Dead」(EDMの死)という文言をつけたタイトルでこのラスベガスの現状を伝える記事を公開。Page Sixの内容を引用し、今回の背景を報じた。それによると、今月28日ラスベガスにクラブを新規オープンさせるカジノホテルWynn Las VegasのCOO、Sean Christieは、なんと「EDMのDJを重宝する時代は終わった」と語っており、この新クラブでは、従来のラスベガスシーンのようにEDMスター達に大金を払ってまでブッキングすることはせず、もっとその場にいる人々が会話や雰囲気を楽しめるVIPルームの設置などを軸にしたラグジュアリーな場所とする意向を示している。
また、別のクラブではもっとこの問題に対し、切り込んだ発言をしており、「違いがわからない数人のDJに莫大なギャラを支払う必要はないのでは?という疑問を持ち始めている。なぜならラスベガスではもうそういったDJにみんなが飽きてきている」と発言。さらにEDMの象徴的クラブであるXSのディレクターJesse Waitsは、「私たちはモンスターを生み出してしまった。EDMのファンはただDJを見たいだけで、本来ならクラブ遊びには必須とも言えるドレスアップはしないし、自分のスタイルも持っていない「ナイトクラブ」というものに造詣が深くない人々だ。彼らはただ“コンサート”が見たいだけ。そもそもナイトクラブは本来素敵な人たちが集まる場所なのに、彼らは正直遊び方も知らないダサい人々。私たちは「大人の遊び方がわかる」人のためのナイトクラブを作っていきたい」と語っている。
今年に入り、EDM関連の大手イベントプロモーション会社SFXが破産、またこのシーンの象徴たる、Aviciiが活動休止を表明するなど、にわかに暗雲が立ち込めつつあるこのシーン。日本ではまだまだ9月に行われるUltra Japanを心待ちにしている声は止むことはないものの、どうやら膨張しすぎた感があるこのシーンの根元から、その価値を見直していきたいという願望があるようだ。
運営側もあまりにも誰でもウェルカムになりすぎたシーンを再ブランディングして、ナイトクラブ、ナイトライフの「価値」の維持をしたいという意向が見える今回の聖地からの発言は世界のEDMファンだけでなく、クラブ関係者、ファン全てにとって大いに議論される、もしくはしたい内容に間違いないはず。
個人的な意見を言えば邪推だが「大人」の遊び方がなくなった=90年代初頭の「ハシェンダ」破綻の理由のひとつと近い気がしなくもない。。。要は「価値」と「費用対効果」と「ビジネス」のせめぎ合いの末の結論といった気が。
EDMファンにとっても今後の動向が気になるところだが、このブームの終焉が迫りつつある感じは以前のElectroブームの末期に少し似ている気がしなくもない。ただ、A-Trak、Steve Aoki、Diploなどは今も生き残り、シーンの最前線で活躍しているという事実から考えるとEDMスターの何割かは昔”EDM”と呼ばれた新しい呼称の中でも生き残るはず。
こういった聖地の状況は、世界中のダンスミュージックシーンの勢力をどう変えていくのだろうか?現在EDMシーンがお茶の間に浸透しつつある日本の今後が気なるところだ。
インターネットを通して、もはや音源が限りなく「無料」に近い価値で取引される昨今だからこそ、問われる音楽の価値。体験を与えるクラブの現場でも、膨張しすぎて、消費され尽くした「安っぽくなった」ものはもはや不要で、今こそ、しっかりとお金を出してでも体験したいものを提供するカルチャーを作る必要性と、そういうものを提供する必要があると運営側がその価値を見直す時期が来たのかもしれない。その辺りはEDMが死のうが生きようがクラブカルチャー全体に言えることだろう。ただ、こういう時にこそ、本当にEDMが好きなファンには一目散に見切りをつけず、サポートを続けていって欲しいものである。使い捨てにされる「カルチャー」ほど悲しいものはないのだから。