• GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • roomie
  • GIZMODO
  • DIGIDAY
  • gene
  • cafeglobe
  • MYLOHAS
  • Glitty
  • roomie

堀込泰三堀込泰三  - ,,,,,,,  10:00 PM

「Night Shift」「ナイトモード」は本当に睡眠の質を改善してくれるの?

「Night Shift」「ナイトモード」は本当に睡眠の質を改善してくれるの?

160404nightmode.jpg


米Lifehacker編集部御中

こんにちは。ベッドでスマホやタブレットを使うのが好きです。寝る前のスクリーンタイムが睡眠によくないことは知っていますが、AppleのNight ShiftAndroid Nのナイトモードなどの新機能は、よりよい睡眠を助けてくれるのでしょうか? これらの機能さえ使えば、寝る前にベッドでスマホやタブレットを使ってもいいのでしょうか?

ベッドタイムブラウザーより


ベッドタイムブラウザ―さま

まず、既知の事実からお答えしますね。光を見ると、体内でメラトニンを生産する天然の能力が妨げられます。メラトニンは松果腺で分泌されるホルモンで、入眠を促します。このプロセスが妨げられると、サーカディアンリズム(体内時計)が崩れます。私たちは暗闇で眠るようにできており、不自然な光源があると睡眠が難しくなるのです。事実、学術誌『Journal of Endocrinology & Metabolism』に掲載されたある論文によると、目の不自由な人でも、拡散光に対して同様の反応を示したそうです。

スマホやタブレットも、脳に対して同じような悪影響を及ぼします。光は、サーカディアンリズムを進めたり遅らせたりします。画面からのほんの少しの光でさえ、リズムを進める影響力を持ちます。あなたの身体は太陽を見ていると判断し、それに合わせた反応をするのです。とりわけデバイスから発せられるブルーライトが悪影響であることは、多くの研究で示されています。その理由は、ブルーライトは波長が短く、脳を警戒させるからと言われています。実際、『Plos One』に掲載のスウェーデンの研究で、コーヒーよりブルーライトのほうが人々の警戒心を高めることがわかっています。


寝る前のブルーライトは少ないほうがいい


AppleのNight ShiftやAndroid Nのナイトモードなどの機能は、そのために開発されました。寝る時間が近づいていることを自動検出すると、明るさを減らし色温度を調節することで、ブルーライトを減らします。これにより画面が暗い暖色系の色合いになり、鮮かさが失われますが、目にはずっと優しくなるのです。理想的には、全体的な光が減少し、問題のブルーライトがなくなるのですから、好きなだけスマホやタブレットを見てもいいことになるはずです。

このロジックは、一見すると健全であるかのように思えます。悪者である青い光を除去することで、起きる時間だと脳が騙されたり、メラトニンの分泌を妨げられたりしなくて済みます。そのことを裏付ける証拠もあります。複数の研究で、オレンジがかったブルーライトカットメガネをかけると、睡眠パターンに好影響があることが示されているのです。たとえば、『Journal of Adoescent Health』に掲載のある研究では、寝る前にブルーライトカットメガネをかけた10代の少年は、睡眠の質が向上しました。また、『Chronobiology International』に掲載の論文によると、大人でも同じような効果が得られたそう。この実験では、1つのグループに紫外線カットメガネを与え、もう1つのグループにはブルーライトカットメガネを与え、効果を比較しました。その結果、ブルーライトカットメガネを着用したグループのほうが、寝付くまでの時間が短かったそうです(ただし、前述の10代の実験と比べると、寝る前のデバイス使用時間が大幅に短い点には留意が必要です)。


ブルーライトを軽減するナイトモード


しかし、Night Shiftやナイトモードなどの機能が、長い目で見てブルーライトカットメガネと同じ効果を持つかどうかは、まだわかっていません。それらの機能や「f.lux」「Twilight」などの人気アプリが睡眠の質に与える影響について、長期的な研究はまだ行われていないのです。カラーパレットを暖色系にすることでブルーライトへの曝露が減り、メラトニン分泌が阻害されにくくなり、サーカディアンリズムの混乱も防げると仮定することはできますが、まだ確実ではありません。

一方で、色温度が行動や眠気、睡眠の質に与える影響についての研究も行われています。『Journal of Physiological Anthropology and Applied Sceince』に掲載の論文では、色温度が睡眠に与える影響は、画面の輝度による影響よりも大きいことが示唆されています。色温度を赤やオレンジなどの暖色系にすることで、画面の明るさに関係なく被験者の眠気が増し、活動が低下したのです。また同誌に掲載の別の研究では、寝る前や寝ている間に青や白などの寒色系が存在すると、試験期間全体の休息に悪影響があったそうです。残念ながら、これらの実験は非常に小規模(前者の実験は男性8名、後者は男性7名)であるため、世界中の人々にも同じことが言えるかどうかはわかりません。

AppleのNight ShiftやAndroid Nのナイトモードは、少なくとも方向性は間違っていないはずです。とはいえ、特効薬にもならないでしょう。なぜなら、デバイスからの光が完全になくなるわけではありませんし、生理的には入眠が容易になる一方で、心理的には入眠を妨げる(特に通知がずっと来るような場合)のですから。

それでもデバイスをベッドで使いたければ、新機能は非常に有望です。期待しすぎないこと、そして十分な睡眠をとるためにはほかにもたくさんの要素があることを忘れずにいてください。

米Lifehacker編集部より


Patrick Allan(原文/訳:堀込泰三)

MORE FROM LIFEHACKER

powered by

Kotaku

© mediagene Inc.