「保育園落ちた日本死ね」の作者が年収960万円ではないかという疑惑の件。
はてブの世論は「年収が高いから何だ?保育が必要であることには全く関係ない」という意見がほとんどだった。そして、「年収が高いからといって引きずり降ろそうとするのは卑しい根性だ」といった批判もまた多い。
でも人間、そこまで強くなれないよ。嫉妬するし、引きずり下ろしたくなるでしょ。週刊誌やネットのゴシップ記事を見て、ざまあみろって思いたくなる人は多いんだよ。そんな人間は、魂が汚れている、生きている価値がない、というのならはっきりそう言って欲しい。でも、世の中、正しい生き方だけやれる人の方が少ないんだよ。金持ちの不満っていうのは、貧乏で苦しんでいる人たちの神経を逆なでするものだよ。持たざる者に向かって「持てる者たちの幸せも一緒になって考えるべきだ」なんて説得して、なるほどそうだねって納得されるわけがないよ。「日本死ね」と同じ感じで、「金持ち死ね」って言われるのがオチだろう。
ソーシャルジャスティスウォリアーって言葉知ってる?「社会正義のために戦う人」「正義の味方」などの意味だけれど、否定的なニュアンスで取られている。詳しくはこちらを参照。http://eigo-net-slang-jiten.blogspot.jp/2014/08/sjw.htmlこの言葉が日本以外にもあったのかと知った時、私はとてもほっとしたよ。そりゃ、社会正義を出されてしまえばそれに逆らうことはできない。でも、何もかもが正しい完璧超人なんてなれるわけないでしょ。だから、表立って逆らうことは出来ないから、うわべでは社会正義はよく通るけれど、実際選挙や世論となると、抑えこまれていたうっぷんが爆発するようになってしまう。このことはトランプが大統領選でものすごい勢いを得ていることを見れば十分わかるはずだ。社会正義が通るのはうわべだけ。匿名の空間になれば、みんなの本音が出てくるようになる。匿名でこそこそものを言うのはを卑怯だというのなら、「日本死ね」の作者もちゃんと名前を明かさなければいけないよね。
それに「日本死ね」という言葉遣いが良くないという批判があった時、
「当たり障りのない言葉ではここまで響かなかった」
「ギリギリのところまで追い詰められているからこそ、こうした強い言葉が出てしまうのだ」
ギリギリまで追い詰められて金持ちを僻んでしまう言葉を出す貧乏人にはここまで冷酷になるものなのかとすごく嫌な気分になった。
なんというか、救われる人間はすでにあらかじめ決まっているかのような印象を受けた。
それから日本死ねの作者はただのきっかけで、ここまで拡散したのはそれだけの背景があったからだという指摘も多かった。それは世間が強い反応を示したということで、それは世間の世論が支持するかどうかということのはずだ。
ではこれが年収1000万弱の人間が拡散の張本人だったと明らかになった時、世間は今までと同じ態度をとれるだろうか。
支持される時は世間の勢いを頼りにして、不支持が広がりそうになったら世間の反応は不寛容だというのもなんだかご都合主義のように感じてしまう。と、いうか、世間の反応を頼りにするということはとても危険な諸刃の剣なんだと思う。式神を使役して敵を倒したら、その式神が暴走して使役者をも攻撃してきた、というよくあるストーリーみたいな。
ここでスペックを言っておくと、私ははてなでは疎外される非モテのブ男だ。結婚相手を見つけて子どもも生めてキラキラ輝いている人々を正直言って嫉妬している。だから、保育園なんか増えなくたっていいし、日本も勝手に死んでも困らない。誰も私を助けてくれないのだから、助ける義理もない。ただ、私には幸い遺産で土地と家がある。貧乏根性も染み付いていて燃費が良いし、天涯孤独だから面倒を見る相手も一人もいない。まあまず飢えて死ぬことはないだろう。飢えそうな人からはお前死ね、と言われるかもしれない。でもそれも当然だと思う。私はたまたま運が良くて親の遺産が手に入った。なければ今以上に悲惨な境遇だっただろう。私をロボットか空気のように扱ってくれ、優しくもされなければイジメもされないバイト先があるのも本当に運が良かった。そして、運の悪い人から恨まれたり死ねと思われたりするのも仕方がないことだと思う。私だって、キラキラ輝いている人々に対する嫉妬は抑えようがない。こうした人間の醜い弱さは仕方がないことではないだろうか。