僕が新入社員のときに経験した「周りに流されないことの大切さ」について。
「もう帰るのか?」
僕が新入社員で入社して1ヶ月くらい経った頃の話です。
「おつかれさまですー」と帰ろうとしたら、上司に呼び止められた。
「お前もう帰るのか、まだみんないるのに。」
タバコ吸いながらネットサーフィンしてる上司、談笑している経理の人、難しそうな顔してワードで日誌だけ書いてる同期、ナイターの中継で盛り上がる先輩。
みんな「いるだけ」なのに「みんないるから」という理由で、先に帰ることが悪いみたいな空気がビシビシあって、仕方なく席に戻ってネットサーフィンして時間を潰しました。
入社1ヶ月にして「いよいよ社会人始まったか...」と思った瞬間でした。
「俺は昔300時間残業した」
呼び止められたその翌日、
「俺が新入社員のころなんて、月300時間残業して、会社に寝泊まりしてたんだぞ。今のお前らは恵まれてるよ。俺が若いときなんてのは...」
これが世に言う老害だとわかった。
新卒入社2週間で転職が頭をよぎる。
「先月250時間サビ残だったわー。最近寝てないし」
だからいつも会議で寝てんじゃないの?って思ったけど「長時間働くこと」が美徳のこの会社では先輩の評価は高く、上司にお気に入りでした。
僕も遅くまで仕事する働き方を余儀なくされ、気がつけば3年も経ち、すっかり社畜体質になってました。
残業が美徳になる理由
この会社で残業してわかったことがあります。
遅くまで仕事することで、眠いのにみんなで頑張ってる!仲間最高!みたい空気が生まれ、まるでどこかに悪がいて、みんなでそれを倒しに行く「一体感」が楽しいんです。
そんなとき「お先に失礼します」なんて言うヤツは当然村八分になる。これは中学生と同じ原理。
ただ、仕事の内容でいくと「こんなの1時間あれば出来るじゃん」みたいな内容を夜通しかけてやって、結果として大きな成果には繋がってない。
でもそんなのはどうでもいいんです。ここで重要なのはみんなで夜遅くまでやったという「結束感」。これが残業を美徳とする温床なのかもしれないと思いました。
成果は労働時間に比例しない
若気の至りでこういうのも楽しかったけど、夜更けまでダラダラ会社で過ごす社会人生活では何の成長も得らなかった、というのが僕の感想です。
残業を美徳とする会社への適応力は異様に高まりましたが、会社はサークルじゃないし、お友達ごっこでもない。成果を出さなきゃ意味がない。
後に転職したリクルートやエス・エム・エスは残業には厳しく、特にエス・エム・エスは「19時半完全退社」がガチガチで徹底されていて、社畜体質の自分には辛かったです。
しかし、高い成果を出すためには良いアウトプットが必要で、良いアウトプットは労働時間の長さに比例しないものだいうことを学びました。
むしろ寝不足だとアウトプットの質が高まるどころか、優先順位もまともにつけられない。仕事は成果を追い続けるものです。もちろん組織への適応も大切ですが、周りに流されすぎないことが大事だと思っています。
新入社員のみなさんは色々大変だと思いますが、応援しています。