2016-04-04 私の原点、新潟美術学園。 
紙、木炭、絵の具など画材の匂いはほっとします。
「新潟美術学園」24年ぶりに訪れました。
「聞こえない私」として初めて一歩を踏み出した場所、私の原点でもあります。
高校生のとき、希望していた専門学校2校から聞こえないという理由で受け入れを拒否され、
高3になり大学進学という新たな目標を見つけてから受験までの半年、
デッサンやデザインの基礎を学びました。
毎週末新幹線で通っていたのを思い出します。
聞こえるフリをすることに疲れていた私を、
「聞こえない私」として
そのまんま受け入れてもらえたのは、人生で初めての経験。
スケッチブックや画用紙のあちこちから、木炭や鉛筆、絵筆で話し書いて(かけて)描いてくれ
同じ目標に向かう個性豊かな仲間たちと、
スケッチブックとともに友情を育んだものです。
24年ぶりでも匂いは同じ、先生方の笑顔も当時と変わらず。
私の本を読んでインスピレーションを得た高校生の作品を見せてくれました。
タイトルは「音を見たことがありますか?」
私の背丈程の表紙を開くと、
四種類の音楽を描いた絵が彩り豊かにひろがります。
「音楽」をこんな形で意識してくれるなんて、なんだかうれしい!
夜は先生たちと食事。
火を通していない生は、しゅわしゅわぽこぽこと口のなかで幸せが弾けるのです。
先生方の前ではすっかり素の自分に戻って笑いころげ、
幸せの余韻を大事に持ち帰った4月1日、
原点からの新年度はじめ。
<新潟美術学園>
2016-03-31 TBSで生字幕番組が増えます 
TBSテレビから、嬉しいお知らせがありました。
4月から生字幕番組が1枠増えるそうです。
「新・情報7daysニュースキャスター」(毎週土曜日22時〜)
4月2日(土)からリアルタイムで字幕がつきます。
「ビートたけしさんの語りをどこまでお伝えできるかわかりませんが、
頑張っていきたいと思います。
翌週4月9日は「オールスター感謝祭'16春」のため休止になりますが、
こちらもリアルタイムで字幕が付きますのでお楽しみください。」
と担当者の意気込みも感じられます。
これまで字幕がつかなかった番組に字幕がつくのは、また世界がひろがります。
おりしも4月1日から障害者差別解消法がスタートします。
字幕や手話がつかないことが差別になりうる可能性があるということ
これを放送事業者も考えていってほしいですね☆
2016-03-29 三度目のワンピース歌舞伎in大阪 
昨年都内で二回鑑賞し、一緒にはまった友人がチケットをゲット。
そんなわけで聞こえない私と友人と
会場には「字幕ガイド」がないため
一回目のときに、時間と根気と熱意で台本貸し出しの許可をもらうという紆余曲折がありました。
<2015-10-31 「スーパー歌舞伎2ワンピース」台本を借りて楽しみました>http://d.hatena.ne.jp/karinmatasumori/20151031
<2015-11-25 懲りずに二度目のワンピース歌舞伎!>
http://d.hatena.ne.jp/karinmatasumori/20151125
同じ担当者に、大阪でも台本の準備をお願いしました。
東京では、細かな決まりごとの書類があり署名をして借りていたのですが
大阪では、あっさりと「はいどうぞ!」
開場前やけどその辺(道端)で読んでてええよ!的な対応。
お笑いの聖地では笑いや楽しみに寛容なのかしらん。
公演中一番の見せ場、東京では座って手を叩く程度が
大阪では総立ち!
隣に座ってたカヨコさんも迷うことなく立ち上がり
両手あげてジャンプしながらの手拍子。
まるでコンサート会場!歌舞伎だけど!
面白いなと思ったのは、笑いのツボの違い。
なんでここで?ってところで肩を動かし手を叩いて声出して笑ってます。聞こえないけどw
水がジャンジャン出てくる演出では友人と二人で
(水のにおいがちがう!)と同時に手話。
ラストで主要人物が死んでしまったときには思わず
(おつかれさま!)と労いの手話。
だって四時間もの公演を一日二回ですもの。
一時間休んだらすぐ二回目公演
しかもこのテンションを一日二回!(しつこい)
しんで……いや横たわっている彼を見て
(今何を思ってるのかな?)
(やっと終わったぜふーとか?)
ストーリーも演出も、東京と大阪では違うところもありホント面白かった。
キャリーケースを駅に預けるのを忘れ、殺人的な人ごみの道頓堀をごろごろ引きずってすんごい迷惑な私。
懲りずに美味しいたこ焼き屋さんに移動して、また乾杯。
あっついたこ焼き丸ごと口の中に入れちゃうとかすごいです関西人。
帰りにタコせん食べ歩き、
粉もんづくしのコッテコテの大阪堪能。
2016-03-28 サユリスト涙!JR東日本の字幕付きCM最終回 
吉永小百合さんが、美しい日本を訪ねる大人の旅を描く
JR東日本さんのCM。
字幕付きで見ることができていたのが
フジテレビ放送の
「タビノイロ」(毎週火曜日21:54〜22:00フジテレビ)です。
JR東日本さんは2013年10月8日から字幕付きCMを開始しました。
それが今年2016年3月29日の放送をもって終了してしまうそうです。
放送開始時の感動をつづった記事はこちら
http://d.hatena.ne.jp/karinmatasumori/20131016
吉永小百合さん以外のCMも
楽しさとユーモアのさじ加減が絶妙なCMばかり。
日本の美しさを伝える良質なCM、大好きで毎週録画をしてみていました。
「字幕付きで」見られなくなるのは本当に残念です。
新たな提供番組等で、一日も早く再開してくださることを願っています。
みなさんも、そんな一言をJR東日本さんに伝えてみてくださいネ!
ご意見・ご要望の送り先はこちらです。
2016-03-25 「字幕がつかないことが放送事故」大阪字幕付きCMセミナー 
定員120名を超える170名で埋め尽くされました。
机のある席は埋まり、壁際に急遽椅子をならべた熱気に圧倒。
情報保障は手話通訳と、UDトークによる音声認識での文字情報提供。
講演「パナソニックの取り組みについて」では、日本で初めてCMに字幕を付けたことから
現在までの字幕CMは136本となり、制作ノウハウと制約、
字幕をつけるきっかけとなった私のエピソードも紹介してくれました。
続いて積水ハウスさんの取組紹介と
総務省地上放送課からは、石原課長補佐が
「字幕付きCMに対する評価、効果等に関する調査」のデータを紹介。
難聴を自覚する人の9割が、字幕付きCMのことを知らないという数字に会場も驚いていました。
後半はパネルディスカッション。
わたしから10分の講演。
CMにも字幕が必要な理由として
情報を共有し、対等でありたいことや、長年の活動の紹介。
CMに字幕が付くことで「安い物よりほしいものを買う」ようになり
合理的配慮をしないことも差別となることを企業として考えてほしいこと
最後に、放送事故を恐れてできないという理由も聞きますが
「字幕がないことが放送事故」だと思いませんか?と締め括りました。
追手門大学の福島先生からは、字幕付きCMの
「眼球運動から見た評価実験」の結果と分析について
アイトラッキングといって視線の動きを調査するシステムを使いました。
テロップを上手に活かした字幕が読みやすいという結果です。
海外と日本の比較についても興味深く、
その後のディスカッションにもつながりました。
途中PCトラブルがあっても、ニコニコしながら臨機応変。
おかげさまで楽しく、充実感満載で終えることができました。
これを機に、停滞気味の字幕付きCMが増えるよう、改めてはたらきかけていきます。
セミナー終了後は関西テレビに移動し、字幕制作に携わる方々との意見交換会。
緊迫感満載の生字幕入力現場にも立ち会い、懇親会へ。
終了後、青木さんとともに移動し、共通の友人に会いに。(まだいくか!)
出会いとご縁の濃い一日、右も左も分からない大阪で
方向音痴の私が使いこなせるのはタクシーだけでした。
質問ですが、UDトークの音声認識の精度はどうでしたか?
私の住む市でも、教育現場でのUDトーク導入が検討されているようで気になります。