知らないと怖い!トンネルでおきる「目の疲労・錯覚」がもたらす危険現象!
高速道路のトンネルに入る前や入った後に「危ないっ!」と感じたことはありませんか?
実はそれ、「目の疲労・錯覚」による危険な現象です!
どんな危険な現象があるのか紹介したいと思います。
【1】追従静止視界
車を運転していると、周囲の景色が流れることで速度を感じています。
この視覚的刺激を「流体刺激」といいます。トンネルや夜間の高速道路などは流体刺激が弱まるため、明るい場所よりも速度の感覚を失いやすく、スピードコントロールが難しくなります。
前を走る車としばらく同じ速度で走っていると、まるで前車と自車がほぼ止まっているような錯覚に陥ることがあります。
これを「追従静止視界」といいます。
こうなると運転感覚が鈍くなってしまい、前車がブレーキを踏んでもすぐに対応できません。トンネルでは周囲から受ける流体刺激が少ないので、前車の動きを頼りに走行することもあるでしょう。
しかし、前車を見ながらぼんやりと走っているうちに、前車が速度を上げたことに気づかず、ふと我に返ってスピードメーターを見ると意外に速度が上がっていたなんていうことも起こりかねません。
速度が上がっても車間距離がほぼ同じわけですから、これは大変危険です。
思わぬ事故を防ぐためにも、トンネル内では前車との距離を意識的にのばしたり、前方の交通状況を確認するなど、いろいろな刺激を受けることが大切です。
【2】ブラックホール現象
昼間に野外の道路を車で走行していた場合、暗いトンネル等の場所に接近した際、ドライバーの視覚的に黒い穴のように見える現象のことを「ブラックホール現象」または「ブラックフレーム現象」と呼びます。
運転者がトンネル付近にある障害物等を見逃す恐れや、前方の車が黒い影に吸収されて見えにくくなり、不安になってスピードを落とし、結果的にスピードの落ちた車に後続車が追突するといった危険性のある現象なんです。
ブラックホール現象が起こる原因
・排気ガス、砂塵による光の屈折
・眼精疲労
などが挙げられ、これらは主に順応の遅れ現象とも呼ばれています。明るい視野に順応している人間の目が、急に暗い視野を見た時、暗い視野に順応するためにある程度の時間を必要とするため、急な対処が難しいといわれています。
この現象は、目に疲労がある時に起こりやすいと言われています。
対策としては長時間の運転を避ける、目のケアや疲れ目対策をすること以外にも、トンネル前や暗くなったら早めのライト点灯を心がけましょう。
【3】視覚吸引作用
人間の視覚は「意識」と深く結びついています。
「あの人かっこいい」「あの料理おいしそう」など興味を惹かれるものや、「あのおじさんこわそう」「あのスズメ、このまま走ったらぶつかるなあ」など危険を感じるもの、良くも悪くもより強く意識が向くものに視線が集中してしまうのです。
これを「視覚吸引作用」といいます。
視覚吸引作用が起こる原因
トンネル内は内壁が近くにあるため、トンネルの外と比べて圧迫感を感じるます。
外との明暗の差が大きい昼間や、トンネルの内壁に近い部分の路面が汚れやホコリなどで見えにくいような場合は「壁にぶつかる」という心理的なプレッシャーも増します。
それらが原因となってトンネルの内壁から離れようとする心理が働き、中央寄りを走ってしまう傾向があるのです。
そして凝視したものに「視覚吸引作用」の影響によってさらに近づいてしまいパニック状態に陥り、追突するといった事故が起きてしまう可能性があります。
このような事が起こらないためにも、危険を感じたり、興味を惹かれるものを見つけたりした時こそ、意識的に周囲に視線を配るように心がけましょう。
【4】ホワイトホール現象
人間の目は、明るい色の物にさらに明るい色を重ねると、その物の形が認識できなくなることがあります。
例えば、白やシルバーなど明るい色の車が強い太陽光線にさらされると、全体的に太陽の光に包まれたように見え、車の形が見えなくなってしまうことがあるのです。
これを「ホワイトホール現象」と言います。
ホワイトホール現象が起こる原因
このホワイトホール現象は、トンネルや暗い場所から抜けた時に、前方を走っているシルバーや白といった明るい色の車が強い太陽の光にさらされると、車の形が見えなくなってしまうというものです。
目に疲労がある時に起こりやすいので、長時間の運転を避けたり、目のケアや疲れ目対策をすることが重要になってきます。
まとめると
運転中、目は凝視した状態が続くため、まばたきの回数が減少していまいます。
通常、まばたきの回数は1分間に15~18回程度ですが、何かを凝視している時は7~12回に減ると言われています。
高速道路となると余計に注意深くなり瞬きをする回数も減り、目が乾き余計に疲れた溜まってきます。
運転中に疲れたなと感じたら、無理せず休憩を取るようにする事と、暗くなってきたらはやめのライト点灯をするように心がけましょう!