東京のJR新宿駅に直結する国内最大級のバスターミナル「バスタ新宿」が4日、開業した。ピーク時には高速路線バスの発着が1日最大1600便を超え、約4万人が利用する。タクシー乗り場や観光情報施設も併設された一大交通拠点で、高速路線バスが39都府県との間を結ぶ、新たな東京の玄関口が誕生した。
バス停車場は3、4階。3階にはタクシー乗降場と、東京都が運営する「東京観光情報センター」がある。2階の改札口から、JR線に直接乗り換えられる。
待合室や停車場は、多くの利用客で初日からにぎわった。スーツケースを持った外国人観光客の姿も目立った。
栃木からのバスで到着した佐野市の会社員の男性(50)は「東京に来るときによくバスを使うが、乗り場や降り場が分かりづらかった。ここができて楽になるので、ありがたい」と話していた。
乗り入れる運行事業者は118社、ピークとなる夏の1日の発着便数は最大1625便で、いずれも日本一。朝や夜の集中する時間帯は、到着が6分間隔、出発も10分間隔の高頻度となる。
停車場はこれまで、新宿駅周辺の19カ所に散在し、鉄道やタクシーとの乗り換えの不便さが指摘されていた。一部の到着便は従来のバス停を使用し4日の発着は約1200便だが、夏までに順次、バスタ新宿に乗り入れる。事業費は約700億円。
3階のタクシーの乗降場には、30台分のタクシープールがある。甲州街道(国道20号)にできていた乗客待ちのタクシーの列がなくなり、混雑緩和や交通事故の減少につながるという。
東京観光情報センターでは、多言語での観光情報や宅配、無料Wi―Fi(ワイファイ)などのサービスを提供する。〔共同〕