朝霞少女誘拐で寺内容疑者が参考か「完全失踪マニュアル」
2016年4月4日6時0分 スポーツ報知
埼玉県朝霞市の少女(15)が2年ぶりに保護された事件で、未成年者誘拐容疑で県警に逮捕された寺内樺風容疑者(23)が、失踪願望を持つ人向けのマニュアル本を参考にし、家出を偽装する手紙やメモを少女に書かせていた疑いがあることが3日、捜査関係者への取材で分かった。
こうしたマニュアル本は複数出版されているが、今回の事件で見つかった少女の手紙やメモの形式に酷似した説明が書かれていた本の一つが、1994年に出版された「完全失踪マニュアル」(樫村政則著、太田出版)。借金取りなどから逃れたい人や、犯罪者など失踪願望のある人向けに書かれている。
このマニュアル本には、失踪を始める際には事件として扱われ公開捜査などになることを防ぐため、署名入りの自筆の失踪宣告書(書き置き)を家族あてに残すべきだとして、「自分の意志で失踪することを記す」などと、その心得を説いている。
捜査関係者によると、少女が行方不明になった2014年3月10日に自宅郵便受けで見つかったメモには「家も学校もちょっと休みたい。さがさないで」と書かれていた。その9日後に自宅に郵送された手紙は「チャットで知り合った人といる。元気に過ごしている。迷惑かけてごめんなさい。しばらくは帰らない」といった内容だった。
捜査関係者によると、少女は「寺内容疑者に書かされた」と説明。寺内容疑者がマニュアル本を見せるなどして、指示した可能性もあるとみている。捜査関係者によると、寺内容疑者はマニュアルに関心を持ち、複数の書籍などを集めていたという。マニュアルは書籍だけでなく、インターネット上でも公開されている。
寺内容疑者が少女に手紙を書かせた際に参考にしたとみられる「完全失踪マニュアル」