松川町上片桐の御射山(みさやま)神社式年御柱祭は2日、里曳きと建て御柱を行った。上伊那と下伊那の郡境を越え、松川町、飯島町、中川村の地区合同による伝統の祭り。7年目ごとに1度迎える祭りは1722(享保7)年に始まり、記録が残る中では50回目。地区ごとの4本の柱を盛大に曳き、節目を飾った。
御柱祭の規模は伊那谷最大級とされる。
御柱は神社境内に4本建てるのが慣例で、宮本にあたる松川町上片桐をはじめ飯島町七久保、中川村片桐、同村葛島の4地区でそれぞれ御柱用材を調達した。長さは5間5尺8寸(約10メートル85センチ)と、前回よりも6センチ長い。幹回りは最大3メートル。
上片桐の中荒町交差点を里曳きの出発点とし、この日は鏡割りなどに続き、午前8時半の花火を合図に一斉にスタート。青空の下、住民らは「ヨイサ、ヨイサ」の掛け声に合わせて威勢良く柱を曳き、町道中町線(通称・御柱街道)を東へと下りながら御射山神社を目指した。
コースは約1・7キロ。ラッパや木遣りに後押しされ豪快に前進するたびに、沿道の見物客からどよめきと歓声が沸き起こった。愛知県岡崎市の女性(63)は「スケールの大きさに驚いた」といい、しきりにシャッターを切っていた。
御射山神社は平安時代末から室町時代末にかけて一帯を支配していた片桐氏の守護神で、上下伊那郡境の旧7カ村(上片桐、片桐、田島、前沢、小平、葛島、七久保)の崇敬を集める。