最近のYahooはおかしいぞ!

今回は、Yahooに載ったある記事を紹介します。

2016/3/27
「がん検診、受けても受けなくても生存率に変化なしか?」
⇒『http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160327-00010005-giz-ent

Yahooの記事は一定時期がくると、内容が削除されます。
上記サイトもいずれ見られなくなるので、文面をそのままコピペします。
また載った証拠として、写真にも収めました。

デマ1

デマ2

⇊では上記文面をご紹介します。


ウソでしょう?

思わず、そうつぶやきたくなる衝撃的な研究発表が、医学ジャーナルのBritish Medical Journal(BMJ)の最新号に掲載されましたよ。
複数の大学教授、医師、腫瘍学者などからなる研究チームがまとめた同発表は、がん検診の精度そのものを疑問視するものではありません。
しかしながら、がん検診によって、実際に患者の生存率に変化があるのかどうかは疑問視する内容となっていますね。

例えば、同研究チームは、検診によって大腸がんと診断された患者1万人を、30年間にわたって追跡調査。大腸がんが原因で死亡した患者は128人だったそうです。
1万人における大腸がんによる死亡者数は192人ということですから、早期検診は効果があるように見えます。
しかし、大腸がん以外の原因も含めると、調査期間中に死亡した人数は7,109人に達していました。
早期のがん検診を受けなかった大腸がん患者層1万人に関しても、同じように追跡調査したところ、なんらかの事情で同期間中に死亡した人数は7,111人でした。

さらに、ほかの身体部位のがん検診に関しても、似たような手法で診断患者の追跡調査を実施。
全10種類の検診内容分析のうち、特定のがんと診断された患者層が、そのがんを直接原因として死亡する例が減ったのは3種類にとどまりました。
とはいえ、別の原因も含めた、調査期間中に死亡した患者総数は、早期の検診を受けなかった患者層の全体的な死亡率と比較して、まったく変化がなかったと報告されています。

この数字だけでは確たることは示されませんけど、がん検診を受けると格段に生存率がアップするわけではないのでは? そんな疑問が呈されていますよ。

研究発表では、早期のがん検診によって、がんによる死亡率が減っても全体の死亡率が減らない理由について、3つの憂慮すべき点をあげています。
まず、がん発見後の治療が、患者の身体に与えるダメージが大きく、その治療が原因で命を縮めてしまう患者が少なくないことです。
次に、がんと診断されることの精神的なダメージです。
例えば、前立腺がんと診断された男性は、その診断後1年に自殺する危険性が、同年齢層の男性全体と比較して極めて高まることが明らかにされていますよ。
精神的な苦痛から、結果として、かえって死を早めてしまうがん患者が多いことも懸念されていますね。

がん検診が全体的な患者の生存率に劇的な違いをもたらさない3つ目の理由は、乳がん検診で多用されているマンモグラフィーを例に説明されています。
検診技術が向上し、非常に小さな腫瘍の段階から、乳がんが発見される率も高まりました。
とはいえ、こうした小さな腫瘍が、すべて実際にその後も生死に影響を与えるほど大きくなっていくわけではありません。そのまま置いておいても、死につながらない腫瘍もあることがわかっています。
つらい治療を受けさせることで、 かえって患者に身体的、精神的なダメージを与えてしまい、早期の発見が生存率を高める効果を発揮するにはいたっていないのでは? そんな意見が発表されていますよ。

検診によって、がんの腫瘍が非常に早い段階で発見されるようになっても、すぐにがん治療を開始すべきかに関しては誤診も少なくないそうです。
治療そのものが、健康な身体部位に与えるマイナス面でのインパクトも過小評価できません。
なによりも、早くがんと診断されたことから受ける精神的ストレスの度合いは計り知れない……
決してがん検診の精度が悪いわけではないのですが、人の命を救うという観点で考えた時には、早期検診の是非を含め、まだまだ改善点が多い。
そんな厳しい現代医療の課題が浮き彫りになった形ですね。

そうなの


またどうせ個人のとんでもブログだろうと思いました。
ですが目を疑いました、間違いなくYahoo記事です!!

明らかに偏った文章の内容です。
当初これはデマ記事かと思いましたが、確かに英語の原文があるようです。

Experts Argue That Cancer Screening Doesn't Save Lives

デマ3


この文章を作成した「湯木進悟」という名前で検索したところ・・・

チラシの裏の価値もなし
この文面には<デマ発信源の例として有名ブログ「ギズモード」ライターの湯木進悟氏>とありました。

ご覧になる必要はありませんが、証拠としてこちらも写真に収めました。

デマ4


そして上記サイトから飛ぶと・・・

ネットデマと戦う:ギズモード湯木進悟編

こちらもご覧になる必要はありませんが、証拠としてこちらも写真に収めました(途中までアップします)。

デマ5

デマ6

デマ7


上記サイトによると、この人はデマ発信源として有名のようです。

今回のYahoo記事は、確かに英語の原文があり、Yahoo記事も原文に即した内容ですのでデマではありませんが、ネット上評判が悪い人の記事を、Yahooが載せるのはいかがなものかと思いました。

もちろん、
湯木進悟氏をデマと言っている方が、デマの可能性もあり得ます。
ただし、文章の表現でその人となりはわかります。
私はYahoo記事を、個人のとんでもブログと勘違いしてしまいましたから。

参考までにこちらを。
→『現代の貧乏神の特徴

Yahoo


しかし、この最大の問題はYahooのような超メジャーなサイトが、このような記事を載せてしまった事です。

先日もロキソニンの極わずかな副作用について、Yahooは載せたばかりでした。
これに対する私の考えは、下記サイトをご覧ください。
この記事をバッサリと切り捨て、1600件以上シェアして頂きました。

ロキソニンの副作用に関する報道について:救急医の立場より

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一体Yahooはどうなってしまったのでしょうか?
個人のブログみたいに、極論記事や重箱の隅をつついた副作用の記事を載せるようになっています。

他にも「食べてはいけない!チーズに含まれる恐るべき添加物とは?」という怖がらせる記事がありました。
我々はYahoo記事ですら、もはや慎重に判断しなければいけなくなりました。

待合室


ところで冒頭の記事ですが、やけに精神論ばかりを重んじている事が気になりました。
精神論を統計にしてエビデンスを求める事は、非常に困難です。

原文の著者の精神論を持ち出す考察には疑問を感じます。
この著者の思想には果たして問題はないのか?

よく極論者が行なうパターンなのですが、最初から「健診、否定ありき」で、データをまとめてやいないか?という可能性もあると思います。

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またアメリカは自費診療、日本は国民皆保険です。
ちなみにアメリカで盲腸(虫垂炎)の手術をすると、300万円もかかると言われています。

これだけ医療費に差があるため、日本人は予防医学に対する考え方が他国とは異なります(と言うか遅れています)。
それは決していい事ではありませんが、他国の考え方やデータを日本人にも当てはめる事は、時には危険が伴います。

日本は他国と違って、安易に医療機関を受診する事が可能です。
他国の精神論と、日本人の精神論は違います。

今後は、たとえYahooであってもすぐに信用せずに、一般的な事と真逆の記事を読んだら、鵜呑みにしないで、自分でも調べるようにしてください。

今や医師の発信ですら、信じない方がいいですから。

検診


最後にがん検診に関して、医師である(笑)私の考えを述べます。

検診・・・と言うより病院という所は、治療したり病気を見つけてもらいに行くだけではありません。
何らかの身体の不調があった時に、異常がない事を確かめに行って、安心感を得る事も使い方の1つです。

日頃から免疫力を高めて、病気になりにくい身体作りをする事は大切です。
ですが、予防法に完璧なものなどこの世にありません。

病院に行っても、すべての病気が見つかるというわけではありませんが、ある程度基本的な検査を受けて、安心する事も大切と私は考えます。

(画像はネットより引用)
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