YASUDA
海外のWEB版アニュアルレポートを調査してみた
こんにちは、プロデューサー/WEBアナリストのヤスダです。A.C.O.ではR&Dの1つとして、定期的にグローバル環境の市場調査・研究を続けています。そのなかで最近は、海外のWEB版アニュアルレポートがさらに進化してきたな、と感じたので簡単に調べてみました。
そもそも、アニュアルレポートって何のためのもの?
アニュアルレポートは、企業における前年度の経営戦略や事業概況を報告するための年次報告書です。ここ数年では、CSR活動報告を取り込んだ「年次統合報告書」とする企業も増えています。そして、もっと多くの人に企業の価値を伝えるために、特に海外企業のアニュアルレポートのWEB化が加速しています。ここからは実例をもとにアニュアルレポートの特徴を見ていきたいと思います。
かなりクリエイティブな海外企業の事例
信念や情熱が伝わりやすいビデオメッセージ
海外では、多くの企業がビデオメッセージを活用していました。ビデオは話し方や仕草など人物像をより深く知ることができ、信念や情熱が伝わります。また、視覚のみを使って理解する画像・テキストだけではなく、聴覚を使うことで比較的難しい内容でも理解しやすくなります。熱心に話す人って思わず聞いちゃいますよね。
ビデオメッセージを活用している企業例:コカコーラ、フェデックス、ゴールドマン・サックス、リバティ・ミューチュアル、エトナ、シティ・グループ など
興味を高めるアニメーションによる数字の変化
単純に羅列していると単調な印象を与えがちな数字も、インフォグラフィックスで表現することにより理解しやすくなります。さらに、アニメーションを用いた演出を加えることにより、興味を引くきっかけ作りにもつながっています。観てて楽しいですよね。
多くの人に情報を届けるためのタッチポイントの増加
SNSの普及により消費者と企業との接点が増え、多くの人にアピールが可能になりました。これは、アニュアルレポートも機関投資家だけでなく、もっと多くの人に見られる機会が増えたことも意味しており、WEB版の作成においてもスマホやタブレット対応が増えてきています。個人も有力な投資家だと考えれば自然なことでよね。
過去のレポートと比較しやすくするアーカイブ化
IBMは、年号別にビジュアルとテキストリンクで整理しています。過去のレポートをHTML閲覧ができ、現在と過去の比較がとてもし易いです。堂々と過去をみせてくれると、オープンな企業姿勢を感じることができますね。
海外企業WEB版アニュアルレポートで見えてきた4つの特徴
1,情緒的な表現で感性に訴える
2,幅広いターゲットに、解りやすく伝える
3,いろいろな環境で、見やすく表示する
4,過去と比較し易いように、情報開示をする
日本では、紙で配ることを前提で作られたPDFの情報をそのまま流用する傾向が強いですが、海外ではWEBならではの表現方法で独自性のあるコミュニケーションを図ろうとしている傾向がみられました。見方を変えれば、WEB上で見やすくしないことのほうが不自然ですよね。
だれでも興味を持て、どこでも快適に閲覧できる
これらの特徴は主にターゲット層の拡大に起因していることは間違いありません。個人投資家や転職者、取引先、SNSユーザなどの幅広い人に向けて、さらにスマホや低速回線などのさまざまな環境に向けて、企業コミュニケーション活動が加速していることを実感させられます。日本企業はこのことに危機感をもつ必要があると思います。
今後も引き続き、調査を続けていこうと思います。最後まで読んで頂いてありがとうございました。
出典元
WRITER
安田 翼
TSUBASA YASUDA
PRODUCER / WEB ANALYST
A.C.O. Journal編集長。電気通信大学人間コミュニケーション学科卒業。制作会社勤務、フリーランスを経て、現在に至る。企画、プロジェクトマネジメント、アクセス解析担当。グロース・マネジメント部所属。