試作フォントを瞬時に作成
クライアントのための専用フォントや新製品発表のためのブランディングフォント、建築やサイン、広告やWebサイトなど、さまざまな目的でオリジナルフォントが作られています。これらのオリジナルフォントを制作するデザイナーや文字のデザインに興味のある学生が、フォント化の技術的な困難さを感じることなく、オリジナルデザインの試作フォントを容易に生成することで、デザインや使用感を確認することができます。
開発の背景
タイププロジェクトでは、新しいデザインのフォントが100文字ほど揃った時点で試作フォントを作成し、デザインの方向性や修正点を確認するという工程を繰り返しています。以前は試作フォント作成のための時間が、フォント開発期間に影響していたといえます。この開発期間の短縮を実現するため、社内用のデザイン確認ツールとしてDrop&Typeを開発し、5年ほど前から使用していました。
コーポレートフォントや都市フォントの需要が高まるなか、キャンペーンやプロモーションなど、小さなフォントセットのオリジナルフォントを要望する声を多く聞くようになりました。一度に280 字までのフォントを生成できるDrop&Typeは、このようなプロジェクトに最適なツールとしてお使いいただけます。
簡単なステップ
Drop&Typeで試作フォントを生成するのに必要な時間は、約30秒。制作ステップはとても簡単です。手描きした文字をスキャンしてAdobe Illustratorでアウトラインをとり、専用のドロップシートに収めてドロップするだけ。フォント化のための専門知識がなくても、一般的なアプリケーションでフォントとして使用することが可能になります。
生成のスピードを体感していただくためのサンプルシートには、仮名約物で194字、漢字80字を収録しています。文字の組合せは自由に選択できますので、ひらがなとカタカナで160字、あるいは漢字のみで280字など、目的に合わせた文字種と文字数のフォントの作成が可能です。生成した試用フォントは、商用利用が可能で、無料での配布も行えます。(*サンプルシートで生成したフォントの商用利用はできません)
試作フォント生成までのプロセス
Drop&Typeは、Adobe Illustrator CS5以上がインストールされたMac OS X 10.6.0以上でご利用いただけます。生成したOTF (OpenTypeフォーマット) フォントは、Macintosh またはWindowsの一般的なアプリケーションで使用可能です。一度に生成できる文字は、280字までで、Adobe-Japan 1-3までの文字種に対応しています。
1. 元となる文字をスキャン
2. スキャンデータのアウトライン化
スキャンデータを選択し、Adobe Illustratorの画像トレース機能で必要な文字をすべてアウトライン化します。
3. 専用ドロップシートにアウトラインデータを配置して保存
Drop&Typeのフォルダの「ドロップシート.ai」には、ボックスとボックス下の対応文字がレイアウトされています。各ボックスの下にある文字に対応するアウトラインデータを、一文字ずつ配置してください。
各ボックスに配置する文字とボックス下の対応文字は、同一である必要があります。ドロップシートの対応文字と異なる文字を配置する場合は、ボックス下の対応文字部分を任意の文字に変更してください。
Drop&Typeでは、アウトラインデータがボックスをはみ出した場合でも、隣り合うボックスに重ならなければフォント化することが可能です。
テンプレート上に必要な文字の配置が完了したら、Adobe Illustrator (.ai) のファイル形式を選択し、別名で保存してください。
4. テンプレートをドロップ
試作フォント生成後、自動的にFont bookが起動しますので「インストール」をクリックしてください。
オリジナルの試作フォントはDrop&Typeの生成フォントフォルダに保存されます。