【コラム】高橋亨の主張を今なお葬れない韓国人の党派性

国が揺らぐ前に、分裂の危険性を警告すべき
選挙で示された民心のみが共存の価値を回復
迫り来る危機で国民は団結

 韓国人は、なぜ分裂したのだろうか。李建昌が提示した八つの理由の内、最後のものが印象的だ。「国の太平が余りに長かったから」というものだった。朋党は、二大戦乱の廃虚から始まった。李建昌は「敵軍が侵略してきたら、決然と立ち向かうことができず、敵軍が退いていったら、上下いずれも平安に感じて、最初から難事などなかったかのようだった」と批判した。朝鮮の無意味な礼訟論争(王の亡くなった母のための服喪期間をめぐる論争)は、丙子胡乱(1636-37年の清の朝鮮侵略)の22年後に起こった。後の世は、これを厳しく批判した。解放から71年、戦争から66年がたったこんにちの無意味な分裂を、後の世はどう評価するだろうか。与党指導部は少し前、候補の公認と党の主導権をめぐる、いわゆる「玉爾闘争」に没頭するあまり「西海(黄海)守護の日」のイベントを欠席した。北朝鮮が武力を誇示していた時期だった。そんな政党が昨日、野党側を「安全保障を放棄した」と指弾した。朝鮮王朝時代後期の朋党でも、ここまでひどいレベルではなかった。

 韓国人は、危機に際して団結する民族だという。その通りだ。しかし旧韓末の危機では団結できなかった。そして国を失った。党派的分裂が臨界点を超え、収拾がつかないところまでいってしまったからだ。分裂が再び国を揺るがす前に、大統領と与党に対してはっきりした警告が必要だ。選挙で明らかになる民心のみが、共存の価値を回復させ、必然的に迫り来る危機の前で国民を団結させるだろう。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)論説委員
前のページ 1 | 2 | 3 次のページ
<記事、写真、画像の無断転載を禁じます。 Copyright (c) The Chosun Ilbo & Chosunonline.com>
関連フォト
1 / 1

left

  • 【コラム】高橋亨の主張を今なお葬れない韓国人の党派性

right

関連ニュース