「うちの屋根で太陽光発電」投資は10年経っても儲からない!!
―昼寝をしていてもソーラーパネルがお金を稼いでくれる。そんなソロバンを弾いてのことなのか、太陽光発電を始めた家庭が全国に広がっている。だが、ウマイ話はとっくに終わっている(週刊新潮より)
この太陽光発電、2012年7月に再生可能エネルギーの「固定価格買取制度」がスターとしてから広まったのだが、背中を押したのは、やはり買取価格だ。
スタート当初は1キロワット時あたり42円で10年間保証されていたことから、一気に”ソーラーブーム〟が沸き起こったのはご存じのとおり。その結果、昨年10月までに全国の家庭に約184万キロワット分のソーラーパネルが取りつけられたのである。
もっとも、さすがに買取価格が高すぎたのか、昨年度になって1キロワット時当たり38円まで引き下げられたが、それでもソーラーシステムを扱う販売会社の担当者の鼻息は荒い。
「一般家庭ですと、3~5キロワットのソーラーシステムをを取り付けられる方が多いですね。仮に4キロワットだと約20枚のパネルを屋根に貼り付けることになりますが、値段は高いもので200~250万円といったところでしょうか。このソーラーシステムが生み出す電力を、お金に換算すると年間13万~15万円ぐらいにはなる。
実際には、作った電力を家庭で使い、手元に残るお金は半分ほどになりますが、電気料金はこれからも上りますから、買取価格が下がってもまだまだお得です」
もうウマミはない!
自然に優しくてお金になる。まるで、いいことずくめだが、気になるのはその”収支〟である。
単純に計算しても保証期間の10年で元を取れないことは誰が見てもわかる話だ。おまけに10年を過ぎたら今度はいくらで買い取ってもらえるかも決まっていないのだ。
フィアナンシャルプランナーの深野康彦氏によれば、
「太陽光発電が注目を集めたのは、他の自然エネルギーに比べて電力の買取価格が高かったことや、設置補助金がついたからです。しかし、それも昨年度までのこと。買取価格は、今年もまた下がります。ウマミがあったのは12年度までに契約した人ぐらいです」
深野氏によると、太陽光発電で本気で儲けたければ、最低でも発電量は、最低でも10キロワットからだという。ちなみに10キロワット以上の太陽光発電は、“発電事業〟という扱いになり、20年間の全量買取に延長される。だが、これだとパネルは50枚近くになってしまい、別に敷地がある豪邸でもなければとても設置できるものではない。
「おまけに太陽光パネルは取り付けたあと定期的にパネルを洗浄するなどのアフターケアが必要で、そのたびに屋根に登らないといけません。また、扱いに困って販売会社に電話しても、会社がなくなっていたり、ソーラーシステムの扱いを止めてしまっているケースがよくあるのです」(太陽光パネルメーカーの社員)
そんなわけで、一般家庭が押っ取り刀で太陽光発電を始めても、収支トントンになるのは遥か先のこと。得られるのは“エコ〟な気分ぐらいのものなのだ。
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