就職難の韓国で「親子起業」増加

 

 若い子どもが企業に就職せず、学校卒業後すぐに自営業の道に進むことを良しとしなかった親世代の意識変化も、親子起業の増加を後押ししている。ソウル郊外の京畿道富川市に住む女性(27)は、先ごろ早期退職した父親(54)と一緒に小さな飲食店をオープンした。女性は「親は私が商売をすることに反対していたが、大学を卒業しても就職できず、父も会社を辞めることになり、親が『家族の力を信じてやってみよう』と考えるようになった」と語った。



 共同経営する親子が「オンライン」と「オフライン」で役割分担をするケースもある。昨年会社を辞めた女性(30)は、母親(57)と資本金を半分ずつ出し合って衣料品店を構えた。女性はインターネット通販を手がけ、実店舗では母親が接客する。それぞれ違った客層をターゲットにすることで売り上げ増大を狙う。



 大学とフランチャイズ業界は、親子での起業のためのプログラムを続々と打ち出している。京畿大は14年から「家族と一緒の起業キャンプ」を実施している。大学側は「子どもが非正規社員として企業に勤めるより自営業の方がましだという親が少なくないことから、キャンプを開くに至った」と説明する。飲食チェーンの関係者も「最近は家族経営についての問い合わせが増えており、起業説明会への関心も高い」と伝えた。



 だが、親子起業もその他の起業と同様、失敗のリスクに備えた徹底した準備が欠かせない。起業資金の多くは親の老後資金などからねん出されるだけに、最初から手持ち資金を全てつぎ込むような過剰投資は控えるべきだ。ソウル大社会学科のキム・ソクホ教授は「自営業者の10人に7人が5年以内に廃業しているのが現実。親子起業が家計を借金まみれ、貧困に追い込む場合もある」と、安易な起業に警鐘を鳴らしている。

ユン・ヒョンジュン記者 , キム・ミンジョン記者
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