香港映画の最優秀賞 10年後を描いた作品に

香港映画の最優秀賞 10年後を描いた作品に
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香港の映画賞の授賞式で、中国共産党の影響が強まった10年後の香港をテーマにした話題作が最優秀作品賞に選ばれた一方で、中国本土では、式典の中継が見送られました。
「香港のアカデミー賞」と呼ばれる香港の映画賞、「金像奨」の授賞式が3日夜に行われ、中国共産党の影響が強まった2025年の香港を描いた作品「十年」が、最優秀作品賞に選ばれました。
この作品には、タクシー運転手が、地元の広東語に代えて中国本土で広く用いられる中国語を使うよう制度が変わり、困り果てる様子や、香港の独立を求める運動が起きるなかで、デモを行う若者が警察官に激しく殴られるシーンなどが描かれています。
去年12月の公開当初、上映される映画館は1か所だけでしたが、「現実と重なる部分がある」などとして大ヒットとなり、今月1日には、30か所以上の公共施設などで市民が無料で鑑賞する催しも開かれました。
一方、中国本土では、インターネット上での授賞式の独占放映権を取得していた大手IT企業が、権利を放棄したと伝えられ、国営テレビも中継を見送りました。
この作品の蔡廉明エグゼクティブ・プロデューサーは「受賞によって、香港にはまだ希望があることが示された。私たちは今後も心を込め、勇気を持って製作を続けます」と話していました。