「世界を分かっていない」トランプ氏を批判
【ワシントン西田進一郎】オバマ米大統領は1日、大統領選の共和党候補指名争いで首位を走る実業家ドナルド・トランプ氏(69)が日韓両国の核兵器保有を容認したことについて「外交や核政策、朝鮮半島や世界をよく分かっていない人物だ」と批判した。また、日韓両国との同盟関係の意義を強調し、「その重要性を認識していない人物は大統領になってほしくない」などと酷評した。
核安全保障サミット閉幕の記者会見で質問に答えた。オバマ氏は米国の核抑止力を前提とする日米、米韓の同盟関係がアジア太平洋地域の平和と安定の礎石だとの認識を改めて表明。同盟関係が「(地域の)核競争や紛争の可能性を防いできた」と語り、名指しを避けながらも同盟関係の見直しを主張するトランプ氏を批判した。
トランプ氏は「米国はもはや裕福ではない」として、日韓両国がさらなる駐留米軍の経費負担に応じなければ撤退させると発言。北朝鮮への対抗手段として日韓両国が核兵器を保有することを容認している。3月29日の対話集会では「日本や韓国が自分で防衛できるなら我々にとってその方がいい」とし、「北朝鮮が核兵器を持っている以上、日本も持った方がいいのではないか」などと独自の主張を重ねて展開した。