北朝鮮核・ミサイル問題で協調対処を確認
南シナ海問題 双方の主張は平行線
【ワシントン西田進一郎、北京・石原聖】オバマ米大統領と中国の習近平国家主席は31日、ワシントン市内で会談し、北朝鮮の核・ミサイル問題に協調して対処する方針を確認した。一方、中国が埋め立てに加えて軍事化を進める南シナ海問題では、双方の主張は平行線をたどった。
両首脳の会談は昨年11月以来。記者団に公開された会談冒頭、オバマ氏は「習主席と私は、朝鮮半島の非核化と国連安全保障理事会の制裁決議を完全に履行するよう取り組んでいる」と指摘。北朝鮮に核・ミサイル実験などを思いとどまらせる方法を協議すると語った。
習氏は「朝鮮半島の核問題などについて意思疎通と協調を強化し、共通利益を拡大したい」と述べ、協調して対処する姿勢を示した。
中国外務省によると、習氏は会談で「制裁決議を各方面が厳格に履行すること」を強調する一方、「情勢を緊張させうる言動をとらないこと」なども求め「対話解決」の姿勢は堅持した。
また、米政府は中国による最近の南シナ海での動きについて「軍事化しないという(昨秋の米中首脳会談での)約束と一致しないものだ」(ホワイトハウスのシュルツ副報道官)と懸念。オバマ氏は会談で、地域の緊張を高める軍事化を自制するよう求めた模様だ。
しかし、新華社通信によると、習氏は「航行の自由を口実に中国の国家主権と安全利益を損なう行為は受け入れられない」と反論。「当事国の直接的な話し合い解決を堅持する」とも述べ、米国の関与を嫌った。
一方、両首脳は会談に先立ち、地球温暖化対策を巡る共同声明を発表した。両首脳は昨年12月に合意した温室効果ガス排出削減の新たな国際枠組み「パリ協定」に4月22日に署名し、年内に国内手続きを終えると表明。他の国にも同様の行動を促し、協定の早期発効を目指す考えを示した。