慰安婦問題、合意を着実に履行確認

　【ワシントン影山哲也】核安全保障サミット出席のため米国を訪問中の安倍晋三首相は３１日午後（日本時間４月１日未明）、韓国の朴槿恵（パク・クネ）大統領と会談した。昨年末の慰安婦問題に関する日韓合意後初めてで、両首脳は合意を着実に履行し、日韓関係を発展させることを確認した。

　首脳会談は約２０分間行われ、首相は日韓合意について「両国内にさまざまな問題を抱えているが、リーダーシップを持って着実に実施したい」と述べ、朴氏も「誠実に履行したい」と応じた。

　両首脳は北朝鮮による拉致問題での協力でも一致。朴氏は「韓国も同様の問題を抱えている。（拉致被害者の）家族の皆さんに寄り添って協力していきたい」と述べた。

　日韓首脳会談は昨年１１月に３年半ぶりに開催され、首相と朴氏の会談は２回目。首相は「今後も首脳会談をできる限り頻繁に開催したい」と述べ、朴氏も同意した。

　首相はこれに先立ち、オバマ米大統領、朴氏との日米韓３カ国首脳会談を１時間行った。３カ国会談は２年ぶりで、昨年まで日韓関係を懸念していたオバマ氏は、慰安婦問題の日韓合意を念頭に「両国が話し合ったのは良かった」と歓迎した。

　また、北朝鮮による核実験やミサイル発射などの挑発行為に対応するため、３カ国の安全保障・防衛協力をさらに強化することで一致。オバマ氏は「北東アジアの平和と安定を維持し、北朝鮮の核の脅威を抑止するのに３カ国の協力は欠かせない」と強調した。

　３首脳は中国が進出を強める南シナ海や東シナ海情勢についても協議し、首相は会談終了時に中国を念頭に「法の支配やルールに基づく行動の重要性を確認しつつ率直に意見交換できた」と語った。