金星探査機「あかつき」 軌道修正し観測期間延長へ

金星探査機「あかつき」 軌道修正し観測期間延長へ
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去年、金星を回る軌道に入ることに再挑戦して成功し、その後、観測機器に問題がないことが確認された探査機「あかつき」について、JAXA=宇宙航空研究開発機構は4日に追加の軌道修正を行って、観測できる期間を2倍以上に延ばすことになりました。
金星探査機「あかつき」は6年前、メインエンジンが壊れるトラブルで、一度は金星を回る軌道に入ることに失敗しましたが、去年12月に残された小型のエンジンで再挑戦し、日本の探査機として初めて、地球以外の惑星を回る軌道に入ることに成功しました。
「あかつき」はすでに設計寿命を超えていることから、機器が正常に作動するかどうか心配されていましたが、これまでの試験観測で機器に異常はみられず、今月中旬にも本格的な観測をはじめることになりました。
こうしたなかJAXAは、「あかつき」の飛行コースについて改めて検討を行った結果、太陽光発電ができない金星の陰に入ることをできるだけ避けられる軌道があることが分かり、4日に追加の軌道修正を行うことになりました。軌道修正は午後4時すぎに行われ、小型のエンジンをおよそ15秒間噴射する予定で、成功すれば、観測できる期間がこれまでの800日程度から2000日程度へと、大幅に伸びるということです。
研究グループでは、さらに長期にわたって観測できるようにすることで、金星の気象の特徴をより詳しく明らかにしたいとしています。