BABYMETALが4月2日(現地時間)にイギリス・The SSE Arena, Wembley(ウェンブリーアリーナ)にて単独公演を開催した。
ウェンブリーアリーナで日本人アーティストが単独公演を行うのは今回が初めて。全世界同時発売されたニューアルバム「METAL RESISTANCE」発売日の翌日であり、9月19日の東京・東京ドームでの単独公演をファイナルとして行う、自身3度目のワールドツアー初日にあたるこの日のライブは現地の模様が日本国内のZeppホール6カ所すべてで生中継され、会場には早朝にも関わらず大勢のファンが駆け付けた。なお現地には約1万2000人、日本のライブビューイング会場はディレイ中継を行った東京・TSUTAYA O-EASTを含めると約1万2000人が来場。計2万4000人が歴史的瞬間を目撃した。
開演時刻を少し過ぎた頃、スクリーンでオープニングムービーが上映されると、花道の先にあるセンターステージにSU-METAL(Vo, Dance)、YUIMETAL(Scream, Dance)、MOAMETAL(Scream, Dance)が登場。神バンドを従えた3人は「BABYMETAL DEATH」でライブを開始した。BABYMETALは“あわだま”をイメージさせる輪を頭上で揺らす「あわだまフィーバー」、会場中に“いいね!”のハンドサインが掲げられた「いいね!」、髪を振り乱しながら激しいダンスを踊った「ヤバッ!」といったキャッチーなナンバーで、さっそく観客を惹きつけていく。オーディエンスは炎が吹き上がるステージでSU-METALが1人で歌う「紅月 -アカツキ-」ではその歌声に酔いしれ、YUIMETALとMOAMETALからなるBLACK BABYMETALの「GJ!」では彼女たちと一緒に三三七拍子のリズムで手を叩いて盛り上がった。
中盤でBABYMETALはニューアルバムに収録されているバイキングメタルナンバー「META!メタ太郎」で新境地を見せる。彼女たちは特撮ヒーロー番組のオープニング曲を彷彿とさせるパートや応援歌風のパートを織り交ぜたコミカルなメロディを元気よく歌い上げた。恒例のアニメーションが上映されたあと、YUIMETALとMOAMETALは「4の歌」を披露。2人は「Right side! Let's go!」「Left side! Let's go!」「Go! Wembley!」と観客を煽り、「よんよん!」とキュートに声をそろえた。一方でSU-METALはニューアルバム収録の「Amore -蒼星-」を初披露。神バンドのダイナミックな演奏に乗せて、その美声をウェンブリーアリーナに響かせた。
3人は「メギツネ」や「KARATE」といった和モチーフのナンバー、炎が吹き上がる中披露された「イジメ、ダメ、ゼッタイ」といった楽曲でラストスパートをかける。YouTubeに公開されたミュージックビデオが話題を集め、BABYMETALの存在を全世界に知らしめた「ギミチョコ!!」ではMOAMETALが「I can't hear you!」、YUIMETALが「Louder! Louder!」と英語でフロアを煽る。そしてSU-METALの「Let's sing together!」の声に続いて、会場中に盛大なシンガロングが巻き起こった。
ウェンブリーアリーナに日本のライブビューイング会場の模様がライブ中継され、リアルタイムで日本と現地がつながると、アリーナには観客たちによってさまざまな国の国旗が掲げられる。そんな中、漆黒のマントを羽織りセンターステージに立ったBABYMETALは「THE ONE - English ver. -」を熱唱し、総勢2万4000人による大合唱を巻き起こした。会場に巨大な“ウォール・オブ・デス”を発生させた「Road of Resistance」で全17曲の演目を終えたBABYMETALは「We are BABYMETAL!」という掛け声でライブを締めくくる。そしてSU-METALが銅鑼を叩くと、ステージから花火が上がった。拍手喝采の中、感慨深げな表情でアリーナを見渡した3人は「You are also precious to me. I love you!」(あなたたちは私にとって大切な存在です。私はあなたたちを愛してる! / MOAMETAL)、「It is thanks to you that we are here today! We love London!」(私たちが今日ここにいられるのはあなたたちのおかげ!私たちはロンドンを愛してる! / YUIMETAL)、「We are going back to Japan, but remember we are always on your side!」(私たちは日本に帰るけれど、いつも私たちがあなたのそばにいることを忘れないで! / SU-METAL)とファンにメッセージを送り、「See you!」とステージを去った。