日刊ゲンダイDIGITAL

  • facebook  
  • twitter  
  • google+

15年度6兆円も吹っ飛び…GPIFが姑息な「年金大損隠し」

■参院選への“悪影響”回避の思惑

 あらためて振り返ると、運用比率の見直しに至った経緯もデタラメだった。14年1月にダボス会議に出席した安倍首相が突然、「GPIFについては、そのポートフォリオの見直しを始め、フォワードルッキングな改革を行います」なんてブチ上げたのが始まり。要するにアベノミクスの株高を“演出”するために国民の虎の子の年金資産が使われた揚げ句、結局は「大損」「大失敗」が決定的となったのだ。

 それが分かって、慌てて運用実績の公表日を7月末に遅らせたのだから許せない。ここ数年の運用実績の公表日は6月30日~7月上旬。14年度も7月10日だったのに、今回は7月29日だ。GPIFは公表日を遅らせる理由について、「準備時間を要する」なんて言い訳している。

「参院選は7月中旬までに行われる公算が高い。例年通り、運用実績を7月初めに公表すれば安倍政権は選挙期間中、野党から『アベノミクス大失敗』による年金損失を攻められることになる。それを避けるため、あえて公表日を遅らせたのでしょう」(前出の民進党議員)

 GPIFが年金資産をバクチ相場につぎ込んだ経緯も結果もデタラメ。こんな政権は早く引きずり降ろさないと、老後資産はあっという間になくなる。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

最新のニュース記事