為替はみんなが利用している
為替取引といえば、一部の海外と取引している人だけが利用しているってイメージがあるかも知れません。しかし、一般的な社会人や大学生くらいなら、ほとんどの「為替」を利用しています。
それは為替の定義にかかわるので、ちょっと説明してみます。
為替とは何か?
「為替」とは、銀行間の口座内の決済のみで、距離的に離れた地点同士でもお金のやり取りをできる仕組みを指します。
実際に遠隔地でお金をやり取りすることを考えれば、大金は(重量的に)重いのでお金を運ぶのも大変ですし時間もかかります。また、現金の輸送には、何らかの形で奪われるなどのリスクを伴います。
そうしたリスクを避けて、銀行(金融機関)内の口座だけで、決済できるようにしたことが為替取引ってことです。
内国為替とは
そのため、ネットオークションで買った品物の代金を銀行の口座振り込みで支払っても為替取引ですし、携帯電話代や電気代などの公共料金を銀行の口座引き落としで支払うことも為替取引です。
こうした、取引に参加している人が、両社とも同じ国内に存在しているケースは、内国為替と呼ばれます。
ネットオークションなどは、ヤフーオークションなど日本国内のサービスを使えば、大抵相手は日本国内にいるので、内国為替になりますね。上記の公共料金の口座引き落としなども典型的な内国為替の例です。
外国為替とは
上記の内国為替の例を見れば、外国為替については、なんとなく想像がつくかもしれません。
外国為替とは、国内の企業が、海を跨いで、海外の企業と取引する際に使われるものです。たとえば、国内の自動車メーカーが、海外の自動車部品業者と取引するケースなどは、この外国為替にあたります。
日本の場合は、海外に日本円を使っている地域はないため、常に外国為替には為替取引がかかわります。海外へのお金の支払いには、円で行っても相手が使えないですからね。
内国為替と外国為替の違いは、通貨の交換があるかどうかってことポイントになります。
リフティングチャージについて
為替取引では、銀行(などの金融機関)の金融決済の力を通じて行われる取引です。銀行としては、世界中の有力銀行間で為替取引のネットワークを形成しており、それによって国を跨いだ送金である為替取引を円滑にサービス提供できます。
そうしたサービス料金の対価として、銀行は外国為替手数料(両替にかかる手数料)を取ります。
しかし、このように高い手数料を払いたくない場合は、国内で外貨を調達して、そのお金で決済するってこともできます。
外国為替では、円を外貨に換えて、支払いをするわけですが、
外貨を調達してそれをそのまま海外の支払いに使うってわけですね。
外国為替では、通貨の交換を通じて、手数料を取るっていうのが銀行の収益源です。この、先に外貨を調達して支払いに使うってことをやられると、銀行は手数料をとれないとも考えられます。
しかし、そうした外貨での決済においても、銀行のサービスを使っていることは紛れもない事実です。
そのサービスの提供料として銀行が徴収するのが、リフティングチャージ(
Lifting charge)です。
お金を海外までもっていくための手数料ってことですね。
為替とは銀行が主役
為替とは金融取引ではなるのですが、モノの動きに沿ったお金の決済という面が強く、そのため取引の中心は銀行になります。そのあたりが、株式や債券などの金融商品として発展してきた商品との違いでしょうね。株式も証券も取引所や証券会社が主役であり、銀行は一参加者にすぎません。
まとめ
・外国為替と内国為替の違いは、国内間の取引か外貨の交換が絡んだ取引かの違い。
・だから(内国)為替取引はみんなやってる。
・内国為替では振込手数料、外国為替では外国為替手数料(両替にかかる手数料)を取ることを通じて、銀行はサービスの対価を求める。
・外貨同士の決済では、リフティングチャージを取ることで、銀行が手数料を得る。
・為替取引は資金決済力をもつ銀行が主役。