なぜ、社会運動が起きるのか。3分で説明したTED動画が面白すぎる。
社会運動とは
一定の社会的目標達成のために行われる集団的行為をいう。運動の展開としては,目標の達成のために結成され,あるいは当初は自然発生したものが次第に形態が整備される過程を経て,さらに目標達成によって変質,解体するか,目標達成を断念して挫折するか,の過程をたどる。
最近おきた社会運動で記憶に新しいのは「保育園落ちた日本死ね!」でしょう。
1人の人間が「保育園を落ちたことによる怒り」をネット上で叫んだことに端を発して、多くの人たちが情報を拡散しました。国会で取り上げられるほどの話題になったので、記憶にも新しいでしょう。
ぼくも自身のブログである「神田の唄」で取り上げています。
ぼくは記事のなかで「保育園落ちた日本死ね!」と「アラブの春」に類似点がみられることについて言及しました。
このような社会運動は結論ばかりがピックアップされるけど、ぼくとしては「なぜ」「どうして」社会現象になるまで発展したのかが気になるんですよね。
社会運動に発展するものごとには法則性があります。
社会運動が発生する法則性について3分でまとめたTED動画が面白すぎるので、ぜひ見てください!
【デレク・シヴァーズ「社会運動はどうやって起こすか」】
※音声でるので注意してくださいね。
もし、スマホから見れない方はこちらから→www.ted.com
社会運動が起きるうえで重要なのは最初のフォロワーである追従者の存在
最初にリーダーが勇気を持って立ち上がり 嘲笑される必要があります でも彼の行動に続くのはすごく簡単です ここで最初のフォロワー(追随者)が重要な役割を担っています みんなに どう従えばいいか示すのです
社会運動は初期の段階では最初に声をあげた人間が取り上げられますが、重要なのは最初のフォロワーである追従者の存在です。
「保育園落ちた日本死ね!」では追従して同調した人間がいました。
そして、同じように保育園を落ちた経験を叫ぶ人間や、保育園に落ちる人間がいることの理由を説明する人間が現れましたね。
発言者はきっと国会にまで波及するような社会運動になるとは予想もしていなかったでしょう。
大きな社会運動にまで発展したカギは最初のフォロワーである追従者が握っているのです。「保育園落ちた日本死ね!」では発言者と同じく追従者がネットで情報発信することにより、続く3人目となる人間に方向性を示したのですね。
2人目の人間にも、もちろんそんな自覚はなかったでしょう。冒頭で述べたように自然発生する社会現象もあります。
意図して社会運動を起こそうとする人もいますが「保育園落ちた日本死ね!」は自然発生した運動になります。
狙ってやったわけではなくても、社会現象となる可能性はあるということですね。
過小評価されていますが 実はリーダーシップの一形態なのです こんな風に目立つだけでも勇気がいります 最初のフォロワーの存在が 1人のバカを リーダーへと変えるのです (笑) (拍手)
yahoo!ニュースで取り上げられるほどに大きくなった運動ですが、最初に「保育園落ちた日本死ね!」と発言したブログの内容をみたときは「冷ややかな反応」を示す人も多かったです。
ぼく自身も最初は冷ややかな反応をしていた人間の1人です。
保育園に落ちた経験もないし、周りに保育園を話題に出す人がいなかったですからね。落ちることの問題の認識ができていなかったのもあります。
ぼくと同じように冷ややかな目でみていた人は初期段階では多かったことでしょう。
ただ、フォロワーとして支援する人間が増えると、最初の「冷ややかな」反応をしていた人たちに変化が生じます。周りの熱気にあてられて、だんだんと熱をおびてくるんですよ。
ぼく自身がブログで記事にしたのも熱気にあてられたからです。
追従する人間が増えると、周りもいつしか運動の1部となり同調していきます。
そして大きくなった運動は発言者のコントロール下から外れていきます。運動だけが1人歩きするのです。発言者が取り消そうと、黙ろうと運動が優先されます。
2人目のフォロワーが現れました 今や1人のバカでも 2人のバカでもありません 3人というのは集団であり 集団というのはニュースになります だから運動が公のものとなります リーダーだけでなく フォロワーの姿が重要なのです 新たなフォロワーたちは リーダーではなく フォロワーを真似るものだからです 。
さらに2人が加わり すぐ後に3人が加わりました 今や勢いが付いています 臨界点に達し 1つの運動になったのです 多くの人が加わるほど リスクは小さくなります どうしようか決めかねていた人達も 今や加わらない理由はなくなりました もう目立つことはありません 笑われることもありません 急げばコア集団に入れるかも (笑) この後しばらくは みんな集団に入ろうとします 加わらない方がかえって バカにされるからです これが運動の起こし方です。
(大きくなりすぎた運動は発言者のコントロール下を離れていく)
ブログのバズや炎上にも通じる
国会にまで波及するような社会運動とまでいかなくても、ネット上でのバズや炎上にも通じる話ですね。
ブログのバズや炎上も発言者がいて、そこに追従して同調意見をいう人間や反対意見をいう人間があらわれます。
発言者への同調意見や称賛のコメントが多いとバズ。批判や中傷的な意見が多いと炎上。簡単に言ってしまうと認識としてはこんなところでしょう。
バズにしろ炎上にしろ2人目となる追従者が、どのポジションをとるかが重要になります。
特にネット上でインフルエンサーと呼ばれる発言力を持った人間が、どうポジションをとるかでバズるのか炎上するのかは変わってきますね。
インフルエンサーの意見に反応して、いままで「意見を言うかどうか様子見」していた人たちも輪に加わります。
そして、様子見していた人間は「大元の発言者」ではなく「インフルエンサー」の意見に同調します。
まぁ、インフルエンサーと同意見なら乗っかるってのが正しいかな。
同調したいけど、発言することをを控えている人間は同調のインフルエンサーが表れたときに追従します。
反対したいけど、発言することを控えている人間は反対のインフルエンサーが表れたときに追従するって具合ですね。
そして、追従者の数がどんどん増えていき、バズ、炎上に繋がるわけです。
お気づきになったでしょうか? 最大の教訓は リーダーシップが 過大評価されているということです 確かにあの裸の男が最初でした 彼には功績があります でも1人のバカをリーダーに変えたのは 最初のフォロワーだったのです 全員がリーダーになるべきだと よく言いますが それは効果的ではありません。
本当に運動を起こそうと思うなら ついて行く勇気を持ち 他の人達にも その方法を示すことです スゴイことをしている孤独なバカを見つけたら 立ち上がって参加する 最初の人間となる勇気を持ってください ここTEDはそのための最高の場所です
社会運動が起きるために必要な要素をまとめると
1.嘲笑されてもかまわないと考える発言者
2.後に続く人たちに、どう参加すれば良いのかみせる最初の追従者
3.様子見する観衆
4.発言者が追従者を対等に扱う心
ですね。
何気に4番目は重要なことでして、追従者を批判する動きをすると炎上に繋がります。追従者には批判的な意見を言う人もいますよね。最初の発言者が追従者の「批判を受け止める」のか「批判に批判で返す」のかがバズと炎上の大きな分かれ道です。
ネットで情報発信をするのであれば、自分がどのポジションをとり、どう対応していくかが重要です。
1.発言者
2.追従者
3.観衆
取り上げられている内容や、メディア運営の方向性によって位置したいポジションは変わるでしょう。
ネット上で何かしらの発言をする上ではポジショニングを意識したうえで、携わっていくのが良いでしょうね。
バズや炎上の渦中にいたいのであれば「特異な発言をする最初の人間」となるか「いの1番に発言者に追従するフォロワー」になる必要があります。
反対にバズや炎上に巻き込まれたくない方は観衆となるようにしましょう。追従する人間が10人、20人と現れてから追従者となるのも良いでしょう。
あとは傍観を決め込むのもオススメです。
どうするかは自由です。
1つ付け加えるとすれば、特異な情報を1番最初に発言する人間になるのであれば「追従者を対等に扱う心」は重要視してくださいね。
前述したように追従者への向き合い方によってバズになるのか、炎上となるのか変わりますからね。
バズらせたいと考えて発言したら炎上してしまったケースはネット上で散見されています。
でも「なぜ」「どうして」そうなるのかを知っていると、自分である程度コントロールすることは可能なんですよ。
だからこそ、事象が起きるプロセスを知る事は重要なんです。
まぁ、あとは自分次第ってやつですね!
またね!
※引用文は全て下記URLからのものです
デレク・シヴァーズ 「社会運動はどうやって起こすか」 | TED Talk Subtitles and Transcript | TED.com