温泉大国日本、全国に3000を超える温泉地があります。泉質や効能もいろいろですが、温泉も上手に入れば健康効果が倍増。
実は温泉にはすべて、微弱な放射線が含まれているのをご存知でしょうか。この放射線はホルミシス効果*をおこし、免疫力を高めてくれます。
温泉の上手な入り方と、自宅でも簡単に出来る炭酸泉、快眠を誘う入浴方法を是非覚えてください。
いい湯だな~入浴で健康効果
温泉を病気の治療や健康に活かしているのは、日本だけではありません。温泉には微弱な放射線が含まれていて、これが体に良いのです。ただし、温泉はどんな病気でも、誰にでも効くわけではありません。
温泉も上手に入れば健康効果が倍増します。また、家庭のお風呂も半身浴や、ちょっとした工夫で体内の老廃物を排出し、ミネラルを体内に取り入れたり、快眠効果を得ることが可能です。
快眠を誘う入浴方法
寝る1~2時間前の半身浴がおすすめ。40度以下の温めのお湯にゆっくりつかると、副交感神経が優位になり、血管の緊張がほぐれます。
半身浴で身体の内部から温まり、体温が下がってくると眠気を感じるので、快眠を得られるし、さらに入浴で汗をかくと体内の老廃物なども排出されます。
身体の内側からキレイにする
皮膚は肝臓・腎臓・肺と並んで四代排泄器官と呼ばれています。じわっと汗をかくことで体内の老廃物や有害重金属も排出できます。お風呂は「汗をながす」ために入るのが一般的ですが、「汗をかく」のにも適しているのです。
ただし、食事の直前…直後、飲酒後の半身浴は避けましょう。全身の血液の流れが良くなる一方、胃腸の血流が弱まって消化不良を起こしたり、血圧が不安定になる可能性があります。
半身浴のポイントと入浴の注意点
半身浴のポイント
- 入浴前にコップ一杯の水を飲む
- 40度以下のお湯におへその上までつかる
- 20分~30分を目安
- 汗がジワーっと出てきたら湯船から出て身体を洗う
入浴の注意点
- 急激な血圧の変化に注意
- かけ湯をする
- 身体をこすり過ぎない
- 入浴剤は天然塩か重曹
血圧の変化に注意
入浴が体に良くても、血圧の変動には注意しなければいけません。脳溢血などでお風呂場で倒れる人が多いのは、血圧の急激な変化のためです。
特に冬は脱衣所が寒いと、服を脱ぎすぐに湯船に入ると、血圧が急激に上下してしまい大変危険です。これを防ぐには
- 脱衣所を暖かくする
- 足→下半身→身体の順にかけ湯をしてから湯船に入る
ようにします。
身体はこすり過ぎない
身体を強くこすり過ぎると肌を痛めます。アカは自然に剥がれ落ちていくくらいでちょうど良いのです。こすりすぎやボディソープの使いすぎに注意しましょう。
極端な話、わきの下や局所だけ石けんをつけて優しく洗い、あとは手でお湯をかけながら汚れを落とす程度で十分です。
入浴剤
すでにお伝えしたように、皮膚は汗と一緒に老廃物を排泄しますが、体内に成分を取り込む作用もあります。海水浴や温泉がからだに良いのは、皮膚を通してミネラルが体内に吸収されるからです。
【着色料で色をつけている入浴剤は…】
香りやリラックス効果が良い、と言う人もいますが、アロマをお風呂に置いておくなどの工夫で、リラックス効果は得られます。
天然塩をひとつまみ、あるいは重曹も入浴剤代わりになります。重曹を入れると「炭酸泉」と同じで、肌に優しいお湯になり、身体が芯から温まります。
温泉と健康
欧米では、「坑道浴」と言って、廃坑になったウラン坑道にただ座っているだけ、と言う温泉治療があります。(日本でも姫路に坑道浴ができる施設(富栖の里)があります。)
温泉の微弱な放射線がホルミシス効果*をおこし、免疫力が高まります。がんの治療効果があると言われる温泉は、このホルミシス効果が、高いからではないかといわれています。
温泉の泉質と効能
日本の温泉の泉質は実に豊かです。
- 単純泉 無色透明・無味無臭
- 硫黄泉 独特の硫黄のニオイと白濁のお湯
- 塩化物泉 舐めると塩辛い
など。
身体への効能も
- 美肌効果
- 神経痛・関節痛
- 高血圧・動脈硬化
等など。
特記すべきは、微弱な放射線。放射線と言うとからだに害をもたらすものと思いますが、温泉の微弱な放射線は、からだに良いのです。
放射線のホルミンス効果
人間のからだは不思議なもので、刺激を何もうけないより、ちょっとした刺激を受けている方が逆に元気になります。これをホルミシス効果と呼びます。
例えば、筋肉は、筋トレをすることで適度な刺激を与えられ代謝が起こり、少しずつ筋力がついていきます。同じように、温泉の微弱な放射線も、人間のからだにホルミシス効果をおこし、免疫力を高めるのです。
ただし、急に強い刺激を与えれば筋肉が壊れてしまうように、温泉の微弱な刺激は、少しずつ与えなければいけません。
秋田県の玉川温泉(強酸性泉)
がんの治療効果があるとして有名になりましたが、ホルミシス効果が高いためではないか、と言われています。
鳥取県の三朝温泉(放射能泉)
世界屈指のラドン含有量を誇っています。この地域の方のがん発生率が低いことが、報告されています。
温泉の注意点
高血圧などの血管系の症状がある人、高齢者
42度以上の熱い高温泉は、要注意。40度以下の温めの温泉に20分~30分入るほうが良いので、親を温泉に連れて行く時は、泉質や温度を調べておきましょう。
乾燥肌、過敏症気味の人
硫黄泉や酸性泉は刺激が強すぎることもあります。ムリに入らず、ピリピリ感があるときは、入浴は短めにして、最後に温泉以外のお湯を、からだに十分かけて上がりましょう。
温泉を楽しむために注意する7つのポイント
温泉旅行はストレス解消、快眠効果もあります。次の7つのポイントに注意して楽しみましょう。
- 食事の直前、直後、飲酒後は入浴しない
- 一日3回以上入らない(朝と晩の2回がおすすめ)
- 入浴前は、30分以上休憩、水分補給を
- 湯船に入る前に、心臓から遠い足先から順にかけ湯をする
- 熱いお湯には短め(5~10分)、ぬるいお湯は長め(20分~30分)
- 汗を多くかいているときは、特に脱水症状に注意
- 身体の水分は、タオルで軽く抑えるように拭く(肌から温泉成分をあがったあとも吸収できる)
まとめ
様々な温泉を手頃に楽しめる日本。微弱な放射線のホルミシス効果や、健康やストレス解消など様々な効果を期待できます。家庭での入浴も、ちょっとした工夫でよりリラックスし、老廃物を皮膚から排出したり、ミネラルを吸収したりもできます。
ゆったり半身浴で快眠を!
「ナースのひとりごと」~今日も1ページ