【ボストン(米マサチューセッツ州)田中義郎】フィギュアスケートの世界選手権第3日は1日(日本時間2日)、男子フリーが行われ、ショートプログラム(SP)で首位だった羽生結弦(ANA)は昨年に続く銀メダルで、2季ぶりで日本男子初となる2度目の頂点に届かなかった。
羽生はジャンプのミスが重なって184.61点、合計295.17点と、いずれも自身が持つ世界歴代最高得点より約35点低かった。その後に登場したSP2位のハビエル・フェルナンデス(スペイン)が216.41点の高得点を出して合計314.93点とし、逆転で2年連続2回目の優勝を果たした。
3位は4度の4回転ジャンプに挑んだ金博洋が入り、男子の中国勢で初めてメダルを獲得。今月から大学へ進むSP4位の宇野昌磨(中京大)は7位に後退した。しかし日本男子は2人の順位の合計が、来年大会で3人が出場できる条件(合計13以内)を満たした。
ペアSPでは須藤澄玲(神奈川ク)フランシス・ブドローオデ(カナダ)組が最下位の22位で、2日(日本時間3日午前)のフリーへの進出を逃した。2日は女子フリーも行われる。
〇…逆転劇で2年続けて頂点に立ったフェルナンデスは「簡単な日ではなかった」と振り返った。冒頭の4回転トーループで審判9人全員から最高の出来栄え評価を得るなど、3度の4回転を含めた全てのジャンプを危なげなく跳び、スピンやステップでも観客席を沸かせて最後はスタンディングオベーションを浴びた。羽生と同じオーサー・コーチに師事し、元世界選手権覇者の安藤美姫さんとの交際でも知られる24歳は、右足かかとの炎症でここ数日、ほとんど練習ができなかったという。それでも「これが今季最後の戦い」と覚悟を決めて演じ、金メダルを呼んだ。
〇…SPから順位を落とした宇野は「満足いく演技ができなかったことが悔しい」と下を向き涙を見せた。後半に組み込んだ連続ジャンプは一つ目の4回転トーループで激しく転倒するなど、精彩を欠いた。今大会に向けて「ジャンプやステップなど多くの時間を割いて練習してきた」と自負していたが、本番でその成果を発揮できなかった。今後は練習内容を根本から見直し、さらなる飛躍を遂げるつもりだ。
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