ユーリの部屋

2016年03月27日 我が道を行く

おとといの午後、やっと念願の知り合いのドイツ人教授(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160215)によるドイツ語で書かれた博士論文(計二冊)を閲覧終了(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160212)。部分複写もできた。一応、学生時代に愛用していたドイツ語辞書(なぜか主人も同じ辞書を使っていたことを最近知った)を持参したが、一度確認のために開いただけで、筋は何とか追うことができた。

ここ数年、駅まで歩くかバス利用だったのが、今月、三代目の新しいシンプル自転車を購入したので、時間的にも節約できて助かった。

(1)リチャード・パイプス先生のロシア共産主義に関するご著書を英語と邦訳で数冊入手して読んでおいたこと(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150402)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160212)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160316)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160317)。

(2)ミトロヒン文書でソ連のキリスト教会世界教会協議会へのKGB関与を読んでおいたこと(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150402)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150805)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150809)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150819)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150904)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150911)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150924)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20151201)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20151219)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160224)。

(3)『共産主義黒書〈ソ連篇〉』http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20131121)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160316)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160317)を数日前から読み始め、行きの電車と地下鉄内でも読み進めていたこと

(4)1990年4月からのマレーシアとの関わりを通して、キリスト教の宣教団記録や世界教会協議会の会合文書のリスト化と読み込みが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080330)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20070904)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080910)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080927)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20081229)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090226)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20100629)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20130820)、非常に重要な作業であることを知っていたこと

などが、恐らくはドイツ語の壁を破る助けになったかと思う。

佐藤優氏(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%BA%B4%C6%A3%CD%A5)がチェコの神学者フロマートカの研究をあちらこちらで宣伝されてきたが、何年も経ってようやく、その源泉ないしはきっかけが、上記のドイツ人教授のご教示ないしは導入紹介によるものだということも確認できた。というのは、当該論文に、英語も含めてかなりの引用があったからだ。

ちなみに、佐藤優氏は、京都北部の施設に来られて講演をされる時は、どういうわけか二度とも最初から恫喝調子(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20101013)。よそ者の私などは、なぜ佐藤氏から叱責を受けなければならないのかわからず当惑していたが、遅ればせながらも、1月30日の不思議な経験については(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160218)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160309)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160310)、是非とも綴っておきたいと願っている。

ところで、昨晩、メーリングリストで日本記者クラブの講演ビデオ通知が届いたのだが、なんと緒方貞子先生のご長男である緒方篤氏の最新作『Yukata Cowboy』についてだったので(https://www.youtube.com/watch?v=OAW3vc1CKWg&featurel)、夢中になって映像をほぼ全部見て、夜更かししてしまった。

緒方貞子先生については(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%BD%EF%CA%FD%C4%E7%BB%D2)、ご退任までの「緒方ファイル」を十数年前から作ってあり(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150924)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20151022)、亡くなったご主人のご著書を含めて(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080315)、日本語の新聞インタビューの切り抜きや日英両言語による論文数本およびご著書数冊を持っている。特に、日本語よりも英語の出版物の方が、内容も深くて説得力に富み、おもしろいと思った。加えて、ご親戚の犬養道子氏(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/archive?word=%B8%A4%CD%DC%C6%BB%BB%D2)の著作も、学生時代に出版されたものは、ほぼ全部目を通していた(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090317)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20151022)。

篤氏のことは、邦訳された博士論文に「私がこの研究を試みなければ、息子は母親ともう少しく遊べただろうに」という意味の一文によって初登場されていたのと、故上坂冬子氏によるインタビューで(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20071224)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080314)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20090909)、母親としての立場から少し言及されていたので、かなり前から存じ上げていた。かわいらしい子ども時代のお写真も『聞き書 緒方貞子回顧録』(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20150924)で拝見している(p.33)。ご経歴も以前から少しは存じ上げていたが、それもこれも、アメリカの留学先や日本の大手電機メーカーの仕事など、うちの主人と少し重なっている面があったからである。ただ、東京、ロンドン、ニューヨーク、ケルン、アムステルダムなど、やはり普通の日本人家庭とは異なる、海外育ちのエリートだという印象。

会社を辞めて、監督として映画製作に関わっていらっしゃるとは承知していたものの、今回初めて作品に触れることになり、(偉いご両親を持つと、お子さんは内面で非常に苦労されるんだ)という一般論をなぞる印象を持った。

意外だったのが、早口の英語と日本語ではなく、私が嫌いな語尾を引っ張る日本語の話し方だった。上品ぶったエリート意識を払拭して、一般に広く作品を広めたいと思っていらっしゃるのかどうか、(そこまで下がらなくてもいいのに)と思った。

コメディアン俳優として、iPhoneによるご実家での自撮り映像を編集して、海外の友達に送ってコメントを受けながら修正して完成させたとのこと。既に国内外で複数の受賞歴がある。

ビデオ・アーティストとしての作品などを拝見していると、一見さりげなく単純なようでいて、さすがに凝った作りではある。相当に専門的な勉強を基に、幅広い経験や視野、繊細な観察力や感性などをお持ちなのだろうと、素人でも感じることができた。

また、自宅だけで撮った映像というアイデアは、まさに緒方貞子先生がよく「工夫」とおっしゃっていたことを彷彿とさせる。貧すれば鈍する、ではなく、賢い人は工夫を凝らすのだ。自宅にあった人形を探し出して、映像工夫で相手役に仕立てるなど、一本200ドル、二万円程度で完成させているとのことだった。

それに、基本的に率直で飾りっ気がなく、真面目なのにどこかユーモラスな人柄と話し方も、お母様譲りのところが大いにあると思う。国連難民高等弁務官として赴任される前、母校の農学部での講演会で、数メートル先でお目にかかった時の印象は今でも忘れられないが(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20071211)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20080506)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20151022)、あの雰囲気で、躾や基本的な教育はあくまで厳しく、しかし楽しい家庭作りに努め、日本を代表するエリート家庭でありながらも、お子さんに一つの価値観を押しつけたり見栄を張ったりなさらなかったのだろうと思うと、じ〜んとくるものがある。

...と、笑いながら『Yukata Cowboy』を見つつ、気に入ったウェブ情報をフェイスブックにシェア転載していたら、何と「ピン!」と音を立てて、メッセージが英語で入ったのだった。午前二時頃だった。もしかしたら、スタッフがなさったのかもしれず、ご本人かどうかは確認できなかったが、とにかく嬉しかった。

https://www.facebook.com/ikuko.tsunashima?ref=profile&v=info


ユーリ:早口で楽しげな話し方をする監督。緒方貞子先生のご長男だということで、何かと注目されている。子どもの頃、「お手伝いさんにペンペンされたよ」と犬養道子さんの本で読んだが、自由でクリエイティブなお子さんは、何かと大変だったでしょうねぇ、と勝手に想像している。


ユーリ:I did enjoy your presentation at the Japan National Press Club today. 緒方貞子先生は、こういう楽しい息子さんをご家庭で育てていらしたんですね。新鮮です。

(転載終)

「親の仕事のために、いろいろな国に住んだけれど、いつも皆に溶け込もうとして、適応し過ぎて人違いされた。自分は何者で、何がしたいのか」というストレスやプレッシャーやスランプを経て、この一連の自叙伝的なコメディ作品が出来上がったらしい。「過剰適応」の背景として、日本でもニューヨークでも、新しい挑戦に向かう際には何事も「自宅で15分特訓」をしていらしたようだ。オランダでは、気がついたら、コメディアンとしてテレビのレギュラー出演をしていたという。この場合は、「人と違うことで意味がある」というのがメッセージ。

・概要がわかる公式ウェブサイト

http://www.atsushiogata.com/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E/

・『浴衣カウボーイ』の作品ビデオ

https://www.youtube.com/channel/UCWgk9CbEE3vriocHGfOG9XA

テンプル大学日本校での講演(2016年2月24日 1時間17分49秒)

https://www.youtube.com/watch?v=WUKruvLPKP4&ebc=ANyPxKoeXpybyL23ifKXy4-zjrY9hX94bHkDPeouvnTmsaeBQHWEsw9qG1rgEeGnAh6ruA7AEEu5qXmZIrevL2l-Ax88mpMj_w

↑かなり喋り過ぎだが、英語の内容は軽くてわかりやすい。もう少し間を取って簡潔に答えられたら、もっと多くのアクセス数が出るだろう。

「自分の道を歩みなさい」と、最終的には認めてくださったというご両親。これまでの緒方貞子先生の外面からは窺えなかった経緯があったことであろうと思いながら、夢中になって閲覧した次第である。

PS:2016年3月14付フェイスブックで書いたことだが、ケント・ギルバート氏が『やっと自虐史観のアホらしさに気づいた日本人』(2016年)で(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160207)(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20160316)、緒方貞子先生のお舅様に当たる緒方竹虎氏(つまり、緒方篤氏の父方の御祖父)はCIA工作員で、アレン・ダレスに政界情報を流していたと記している(p.97)。恐らくは今後、この人物系列に関して、さまざまな解釈転換が行われる可能性がある。一般国民としては、一次資料や直接体験に基づかない限り、自己流の安易な憶測で勝手気儘に発言しない態度が重要であろう。

https://www.facebook.com/ikuko.tsunashima?ref=profile&v=info

14 March 2016

今後、嫁に当たる緒方貞子先生の評価も変わる可能性有。ケント・ギルバート氏が緒方竹虎氏はCIA工作員だったと書いている(2016:97)。

(転載終)

itunalilyitunalily 2016/03/27 03:57 (https://www.facebook.com/satoshi.ikeuchi/posts/10204718354877794?fref=nf&pnref=story)

・「世俗主義・政教分離を強制するからムスリムが屈辱感を感じてテロが起きるんだ」と言っていた諸先生方の話を、今後は、よーく吟味して聞きましょうね。ベルギーは政教分離を強制するどころか、移民集団の自由に任せ、放置してきた。それなのに(だからこそ)テロが起きている。なお、植民地主義の過去もなく、人道主義で意図的に移民・難民を受け入れてきた北欧ですらテロが起きている、ということも深く受け止めましょう。

・とにかく猛然と「俺様正しい他は全部ダメ」と怒りたいだけの人が、歴代、中東・イスラーム研究には入ってくるからなあ。中東とか「イスラーム」を振りかざすと、とりあえず欧米とか日本とか全否定できるから。中東に関係するほんの読者もそういう人たちなので、怒りたい人が怒りたい人向けに本を書いて売れる、というサイクルが成立してしまっている。

・そういう人たちは対話が不可能なので、齢をとって弱っていってくれるのを待つしかないんだが、ツイッターとかで介助されてパワーアップしてる。

・一神教や「中東」は、日本の相対主義の環境のもとでは厨二病的人に親和性が高い。世間の無関心・無理解をかえって自らの絶対的優越性の証左と受け止める厨二病を原動力に、日本の中東研究が発展してきたことも否めない。

(部分抜粋引用終)

itunalilyitunalily 2016/03/27 17:03 上記引用の二番目の「中東に関係するほんの読者」は、「中東に関係する本の読者」の転記ミスでした。お詫びして訂正いたします。

itunalilyitunalily 2016/03/27 17:19 最近、やたらと「あべこべの世界」という言葉を思い出す。ナイポールだったか、ミラン・クンデラだったか、出所を一生懸命に思い出しているところである。

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