[PR]

 シリアのアサド政権軍が過激派組織「イスラム国」(IS)から奪還した中部パルミラで、斬首されたり、銃殺されたりした約40人の遺体が見つかったと、シリアの国営メディアやAFP通信が報じた。約半数が子どもを含む民間人という。政権関係者は、ISに殺害された政権軍兵士とその家族とみている。

 遺体発見は国営メディアが1日に報道。AFP通信は3日、軍関係者の話として、これまでに見つかった遺体は42人に上り、うち24人は子ども3人を含む民間人だと伝えた。在英の反体制派NGO「シリア人権監視団」も、パルミラでの「集団墓地」発見を確認したとしている。

 パルミラは世界遺産の古代都市遺跡で知られる。ISは昨年5月に政権軍を撃破してパルミラを制圧。先月27日に政権軍に奪還された。国営メディアは、ISはパルミラを支配した約10カ月間に「約400人を殺害した」と伝え、監視団は「少なくとも280人を殺害した」としている。(イスタンブール=春日芳晃)