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【プロ野球】

黒田完封、セ一番乗り 日本では9年ぶり

2016年4月3日 紙面から

広島−巨人 完封勝利を飾り、石原(左)とがっちり握手を交わす黒田。本拠地のファンも大喜び(宮原滋撮影)=マツダスタジアムで

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◇広島3−0巨人

 広島の黒田が日本球界復帰後初の完封で2勝目を挙げた。テンポ、制球ともに良く4安打に抑え、2〜7回は無安打に封じた。打線は3回に田中の右前打で先制。4回は丸、6回はエルドレッドのソロで加点した。巨人は今季初の零敗。

      ◇

 真っ赤に染まったスタンドが、揺れていた。9回。続投を信じたスタンドが「クロダ」コールの大合唱だ。3万1213人の大声援、期待に応えた志願の120球完封。終了の瞬間、黒田は石原を指し、マウンドで抱擁した。

 「最高の雰囲気の中で、最高の結果がでてよかった」。完封はヤンキース時代の2013年4月14日(オリオールズ戦)以来、日本では07年6月3日の楽天戦以来。「やっぱ、しんどいですね」と笑った。

 最大のピンチは8回無死一、二塁。バントの構えを見せる小林誠に「やらせないようにした」(石原)と3球、動く球でスリーバント失敗に仕留めた。代打・片岡はツーシームで二ゴロ併殺に。「一番苦しい展開。何としても抑えたかった」とこの時だけは右拳を握った。

 4安打、三塁すら踏ませなかった120球。日米20度目の「完封」に黒田の思いが見える。「まだ、まだ若くていい投手がたくさんいる。7回とかじゃなく、いける時はいくんだというね」。ブルペンを休ませると同時に、若い投手に背中で示したエースの矜恃(きょうじ)。「無理できる年齢じゃないけどね」と、静かに笑った。

 菊池は「黒田さんの気持ちが伝わってきた」と再三の好守でサポート。緒方監督も「さすが黒田。何と言っても黒田の投球しかない」と絶賛した。41歳1カ月の完封は、球団では41歳8カ月で達成した大野豊に次ぐ年長記録。日米通算200勝にもあと5勝とした。

 「目の前の試合を精一杯に戦って、最後に一番上にいられたら」。円熟味を増した投球は、衰えることを知らない。 (田中政行)

 

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