安全保障関連法施行 きょうの動きは

安全保障関連法施行 きょうの動きは
k10010460131_201603291238_201603291239.mp4
戦後日本の安全保障政策の大きな転換となる安全保障関連法が、29日、施行されました。
東京・市ヶ谷の防衛省は、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法が施行されてから初めての朝を迎えました。式典などが行われる高台の儀仗(ぎじょう)広場では、いつもと同じように、陸海空の自衛官が小さく折りたたまれた日の丸を手に行進し、午前8時半、君が代に合わせて掲揚しました。
すべての自衛官は、日本国憲法及び法令を遵守し、政治的活動に関与せず、事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえるなどと宣誓して任官します。隊員たちに新たな任務への対応が求められるなか、自衛隊は創設から62年目の春を迎えました。

創設62年目の自衛隊では

東京・市ヶ谷の防衛省は、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法が施行されてから初めての朝を迎えました。式典などが行われる高台の儀仗(ぎじょう)広場では、いつもと同じように、陸海空の自衛官が小さく折りたたまれた日の丸を手に行進し、午前8時半、君が代に合わせて掲揚しました。
すべての自衛官は、日本国憲法及び法令を遵守し、政治的活動に関与せず、事に臨んでは危険を顧みず、身をもって責務の完遂に務め、もって国民の負託にこたえるなどと宣誓して任官します。隊員たちに新たな任務への対応が求められるなか、自衛隊は創設から62年目の春を迎えました。

防衛相「自衛隊はさらに多くの任務を」

中谷防衛大臣は閣議のあと記者団に対し、「自衛隊はこれまでよりさらに多くの任務を果たすことになる。今一度、気を引き締めて、安全を確保しながら新たな任務を遂行するために、省一丸となって慎重を期して準備作業を行い、必要な教育・訓練を実施していきたい」と述べました。
そのうえで中谷大臣は、「よく『戦争法』と言われるが、この法律は戦争を抑止して平和を維持するためのものだ。特に最近はテロ事件が起きるなど情勢が変化し、1国のみで平和を維持することが非常に難しい時代になっており、あらゆる事態に切れ目なく対応する法律であることを、国民にしっかり説明して理解を得ていきたい」と述べました。

首相「日米同盟を強化した証左」

安倍総理大臣は参議院予算委員会で、「先般の北朝鮮による弾道ミサイル発射の際にも、日米は従来にも増して、情報共有体制の構築もはるかに進んだ。その点はアメリカ太平洋軍のハリス司令官も述べているし、われわれも実感している」と述べました。
そのうえで安倍総理大臣は、「平和安全法制はきょうからスタートするが、法制の制定と、日米防衛協力の指針=ガイドラインの改定を合わせ、日本を守るために助け合うことができる同盟の絆を強化したことの証左ではないか。これを廃止すれば、日米の同盟の絆は大きく毀損される」と述べました。
また、菅官房長官は閣議のあとの記者会見で、「平和安全法制の推進にあたって重要なことは、国民の広範な支持を得ることだと思っている。法制の必要性や目的をあらゆる機会で訴えながら、国民に理解を頂けるよう丁寧にしっかり説明していきたい。昨今の世論調査においても、成立当時と比べると国民の理解は大幅に進んできていると思っている」と述べました。

国会前 きょうも廃止求める人

国会前では28日夜、憲法解釈を変更して集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法の廃止を訴える集会が開かれましたが、安保法の施行を受けて29日も午前中から廃止を求める人の姿が見られました。
29日は、子どもがいるため夜の集会には参加できないという関東地方の母親ら8人が、「誰の子どもも殺させない」などと書かれた横断幕を手に「立憲主義を取り戻そう」などと声を上げて安保法に反対する意思を示していました。
3人の子どもがいる千葉県の46歳の女性は、「将来、子どもが命を落としたり、逆に外国の人の命を奪ったりするのではと不安です。粘り強く安保法の廃止を訴えていきたい」と話していました。
国会前では午後6時半から、安保法の廃止を求める集会が開かれることになっています。