ワシントン=奥寺淳、モスクワ=駒木明義
2016年4月2日23時12分
オバマ米大統領は1日、ワシントンで開かれた核保安サミット後に会見し、核テロを防ぐ国際協力で成果を残したと強調した。ただ、7年前に提唱した「核兵器のない世界」については「多くの仕事をやり残した」と語った。米ロ関係の悪化によって核軍縮は停滞。北朝鮮はさらに核開発を進めるなど、目指した世界は、なお遠いままだ。
オバマ氏は2009年、広島と長崎への原爆投下を指す「核兵器を使用した唯一の核保有国としての道義的責任」に触れ、核軍縮と核の不拡散を進めることをプラハで宣言。同年にノーベル平和賞を受賞し、米ロが協調して核軍縮が進むことに期待が高まった。
それから7年。オバマ氏は自らが提唱した最後のサミットで、「米ロの核兵器は、この60年間で最も少なくなった」と評価。昨年7月にイランの核開発を大幅に縮小する最終合意に達したことも挙げ、「国際社会が一つになれば、共通の安全を成し遂げられる」と自賛した。
しかし、核軍縮が思い通りに進まなかった現実も認め、「ロシアとのさらなる核兵器削減交渉や北朝鮮の核問題への対応など、やり残した仕事が多くあることは自分が一番分かっている」と語った。14年時点の世界の核弾頭(廃棄待ち分除く)は1万発弱もある。
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朝日新聞国際報道部
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