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 オバマ米大統領が主導した最後の核保安サミットは1日、核物質がテロリストに渡らないよう国際社会が管理を強化するとした共同宣言を採択し、閉幕した。オバマ氏は記者会見で、これまでに日本など30カ国がプルトニウムや高濃縮ウランを安全な場所に移すなど、核テロのリスクが減ったとし、4回にわたるサミットの成果を強調した。

 ワシントンで開かれたサミットには、安倍晋三首相や中国の習近平(シーチンピン)国家主席ら50カ国以上の首脳級が参加したが、ロシアのプーチン大統領は欠席した。

 サミットでは、核テロの脅威を国際社会への最大の挑戦の一つとし、核物質の管理強化や情報共有を通じて対抗することで一致。先月のベルギー連続テロの容疑者が、原子力施設の技術者を監視していたとみられることも受け、過激派組織「イスラム国」(IS)による核テロ対策の強化も確認した。

 普段から核テロ情報を共有するため、30カ国以上の政府高官や専門家による協議会を新たに立ち上げ、定期的に集まるという。国際刑事警察機構(ICPO)の核テロ捜査能力の強化を支援し、テロリストに関する情報の共有も進めることなど、五つの国際機関・組織に対して核テロを防ぐための行動計画も示した。