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 広島で開かれる主要7カ国(G7)外相会合に合わせ、核保有国の米英仏を含むG7外相が11日に広島市の平和記念公園を訪れ、原爆死没者慰霊碑に献花することが決まった。岸田文雄外相が2日、広島市で記者団に明らかにした。G7の核保有国の現役外相が同公園を訪れるのは初めて。

 岸田氏は「核兵器国と非核兵器国の対立が深刻化している中、双方が含まれるG7の枠組みで力強いメッセージを発出できれば、今しぼんでいる核兵器のない世界を目指す取り組みを再稼働させる良いチャンスになる」と述べた。岸田氏は広島が地元。今回の外相会合では議長を務める。「外相会合で、核兵器のない世界を実現する機運を高めたい」と繰り返し語り、G7外相の公園訪問実現に意欲を見せてきた。各国外相は公園内の広島平和記念資料館(原爆資料館)も訪問する。

 広島に原爆を投下した米国のケリー国務長官が参加するかどうかが焦点だった。駐日米国大使は繰り返し広島を訪れており、こうした実績も踏まえ、ケリー氏も最終的に応じた。

 次に日本政府が注目するのは、5月のG7首脳会議(伊勢志摩サミット)で来日するオバマ米大統領の動向だ。2009年に「核なき世界」を訴えてノーベル平和賞を受賞したオバマ氏は、広島訪問の意欲を語っており、大統領任期が1年を切る中で実際に訪問するのではないかとの観測が出ているからだ。

 米国務省のゴットメラー次官(核軍縮・不拡散政策担当)は1日、朝日新聞の単独取材に応じ、オバマ氏が伊勢志摩サミットに合わせて広島を訪れる可能性について、「大統領は以前から広島を訪問することは光栄なことだと言っている」と指摘しながらも、「訪日の日程についてはホワイトハウスが決めることで、新たな情報はない」と述べるにとどめた。ゴットメラー氏は3月22日の記者団との懇談では、オバマ氏の広島訪問が「ホワイトハウスで検討されている」と語っていた。(安倍龍太郎、ワシントン=峯村健司)

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