【2016/3/3 更新】今年度の日程と概要を掲載しました。
【2016/3/10 更新】詳細な授業計画を掲載しました。◆
桜美林大学大学院 大学アドミニストレーション研究科(通学課程)にて、非常勤講師として担当する授業科目の2016年度のシラバスです。
◆授業日は、2016年4月17日(日)、5月15日(日)、6月19日(日)、7月17日(日)に4回集中型(毎回10:00〜17:00)で開講します。
◆なお教室は、桜美林大学の本校・町田キャンパスではなくて、都心サテライトの
四谷(千駄ヶ谷)キャンパスになります。
★正規の大学院生としてでなくとも、大卒やそれに準ずる学歴のある方であれば、科目等履修生(単位認定あり)や聴講生(単位認定無し)として履修する事が出来ますので、関心のある方の履修をお待ちしています。
★科目等履修生・聴講生の詳細については、
桜美林大学のサイトを参照してください。出願締切は
3月31日(木)必着です。出願書類の中で準備に手間がかかりそうなものとしては、「出身学校の卒業証明書」と「健康診断書」
(過去1年以内に職場で受診したもののコピーでも大丈夫そうですが確認してください)がありますので、出願を検討される方はご注意ください。
★
Fecebook内に情報提供用のグループページも開設しています。 授業運営に用いますので、履修者の方は参加をお願いします。
★授業内容に関するご質問などはご遠慮なく naoki(アット)idemitsu.info へのメールや、上記Facebookグループのコメントでお寄せください。
◆今年で3年目となり、2年の経験を踏まえて少し変更を加えました。広報実務について考える部分が少ないこともあり、昨年度までは3回目に行っていたエクセル職人講座は、それなりに好評であったものの削除して、昨年まで4回目に行っていた課題(学生インタビュー)を3回目に繰り上げ、そして4回目には広報活動に関する課題報告を設定しました。
【科目コード・名称】
HES5360U 大学アドミッション (授業コード 35206 単位数2)
【担当教員】 出光 直樹
【授業概要】
高等教育ユニバーサル化の時代を迎え、入試広報を担当するスタッフは、単に入学試験とそれに付帯する広報活動を事務的に処理するだけでなく、アドミッションズ・オフィサーとして、各大学のミッションと学生の実態を理解し、適切な入学者選抜・学生募集の仕組みを戦略的に構想し、実行していく役割が求められている。
この科目は、我が国の入学者選抜と高大接続をめぐる課題を国際的な視点も踏まえて概観した上で、(1)入試制度、(2)学生の視点から見る高大接続、(3)広報活動、についての課題報告とディスカッションを中心とする授業展開を行い、各受講者の固有の文脈における課題の発見と具体的な解決の道筋を探る。
【到達目標】
●我が国の入学者選抜制度の現状と課題を、国際的な比較も含めて理解する。
●入学者選抜や高大接続の多様な現状と課題を理解する。
●ケーススタディー、インタビュー等の具体的な事例分析と、それに基づく課題発見、企画立案が出来るようになる。
●アドミッションに関わるスタッフの専門性と課題を自覚する。
【授業計画】 1回4コマ×4日間の集中講義で行う。
第1回 入学者選抜と高大接続をめぐる課題 4/17(日)10:00〜17:00
我が国の入学者選抜制度の現状と課題を、歴史的経緯をふまえつつ理解・整理するとともに、高等教育ユニバーサル化とともにクローズアップされてきた高大接続の課題について、国際的な動向も視野に入れて検討する。
(1) 制度と法令 − 学校教育法、大学入学者選抜要項、諸外国の高大接続
(2) 一般選抜と特別選抜(推薦・AO・帰国生・社会人・留学生・etc)
(3) 入学者選抜のインフラ − 大学入試センター試験、TOEFL、SAT、国際バカロレア、日本留学試験
(4) 高大接続に関わる新たな課題と改革動向
★初回の授業には、各自の自己紹介レジュメの提出やリーディング課題(詳細下記)があります。
第2回 入学者選抜制度運用の実際 5/15(日)10:00〜17:00
課題1として、各受講者において具体的な入学者選抜制度を取り上げて報告を行なってもらい、入試制度運用に関わる実務上の課題について以下のポイントを交えながら検討を行う。
(1) アドミッションポリシーや制度上の位置づけ
(2) 当該大学のミッションやカリキュラムとの適合性
(3) 実施上の環境とリソース
第3回 学生の目から見る入試広報と大学選び 6/19(日)10:00〜17:00
課題2として、学生に対してインタビュー調査を行い、入学前の大学選びに関する意識や行動、受験のプロセス、大学入学後の適応について報告を行ってもらい、高大接続の課題について以下のポイントを交えながら検討を行う。
(1) 大学進学をめぐる学生の成長と課題
(2) 各大学のポジショニング
(3) 担当職員の教育的役割
第4回 入試広報活動の実践と課題 7/17(日)10:00〜17:00
課題3として、関係者へのインタビューを含めた入試広報活動の実例について報告を行ってもらい、入試広報活動の課題について以下のポイントを交えながら検討を行う。
(1) 入試広報制作物の機能と位置づけ
(2) 進学相談会やオープンキャンパスの役割
(3) 入試広報施策のマネジメントとSD
【授業外学習】
第1回目の授業には、各自の自己紹介レジュメ(A4版1枚片面に、略歴・職務内容・本科目での問題関心等をまとめたもの)を持参してください。印刷配布はこちらでしますので、原紙1枚で構いませんが、あわせて事前に電子ファイルをメール等で送っていただけると助かります。
また、教科書(1)の第4章および以下の資料を通読しておいてください。
・文部科学省高等教育局
「平成28年度大学入学者選抜実施要項」・中央教育審議会
「新しい時代にふさわしい高大接続の実現に向けた高等学校教育、大学教育、大学入学者選抜の一体的改革について(答申)」・文部科学省
「高大接続改革実行プラン」・上田 千尋
「決定権がスタッフの意欲を支えるアメリカのアドミッションズ・オフィス」『Between』2002.7・8
・出光 直樹
「オピニオン アメリカの入学者選抜の本質は専門職の合議による多面的視点」『Between』2015.6・7
・NACAC
「Definitions of Admission Options in Higher Education」 第2回目の授業では、各受講者が関係する大学やその他の大学における具体的な入学者選抜制度を取り上げてまとめ、各15分〜20分程度の報告を行ないます。
第3回目の授業では、事前に3名以上の学生に対してインタビュー調査を行い、入学前の大学選びに関する意識や行動、受験のプロセス、大学入学後の適応などについてまとめ、各15分〜20分程度の報告をを行ないます。
第4回目の授業では、各受講者が関係する大学やその他の大学における具体的な広報活動や制作物について取り上げ、関係者に対するインタビューを含めてまとめ、各15分〜20分程度の報告を行ないます。
全ての授業終了後、科目全体の学習内容や気づきを、総括レポートにまとめて提出してください。
【テキスト】
下記に示すものの他、必要に応じてプリント等を配布、ないしWEB資料のURLを指示する。
(1) 渡邊一雄 編(2010) 『大学の制度と機能』 玉川大学出版部 (特に第4章「高等学校と大学の接続」) ISBN-13: 978-4472404047
【参考書】
(2) 冷泉 彰彦 (2014) 『アイビーリーグの入り方: アメリカ大学入試の知られざる実態と名門大学の合格基準』 CCCメディアハウス ISBN-13: 978-4484142234
(3) 繁桝 算男 (2014) 『新しい時代の大学入試』 金子書房 ISBN-13: 978-4760821709
(4) 東北大学高等教育開発推進センター 編(2013) 『大学入試と高校現場: 進学指導の教育的意義』 東北大学出版会 ISBN-13: 978-4861632228
(5) 山本 繁(2013) 『つまずかない大学選びのルール』 ディスカヴァー・トゥエンティーワン ISBN-13: 978-4799312759
(6) 佐々木 隆生(2012) 『大学入試の終焉: 高大接続テストによる再生』 北海道大学出版会 ISBN-13: 978-4832933798
(7) 倉部 史記(2011) 『文学部がなくなる日』 主婦の友新書 ISBN-13: 978-4072758953
(9) 中井 浩一(2007) 『大学入試の戦後史: 受験地獄から全入時代へ』 中公新書ラクレ ISBN-13: 978-4121502438
(10)大場 淳(2005)
「米国の大学における入学審査職員に求められる能力とその開発」『大学行政管理学会誌』第8号
(11) 文部科学省
「国際バカロレアについて」(12) NACAC
「Statement of Principles of Good Practice」【評価基準】
講義参加と討議、課題報告そして総括レポートの内容により、以下の基準で評価する。
A 特に優秀
●課題を通じて、様々な入試制度や広報活動および学生意識についての深い洞察と気づきを得るとともに、他大学の事例もふまえたより普遍的な課題の把握がなされている。
●科目の学習内容について、参考文献の知見もふまえて整理・展開されているとともに、受講者自身の文脈、および我が国における入学者選抜と高大接続の課題への深い洞察が得られている。
B 優秀
●課題を通じて取り上げた事例と他大学の事例の双方から、洞察と気づきを得ている。
●科目の学習内容について、良く整理されているとともに、受講者自身の文脈における入学者選抜と高大接続の課題への洞察が得られている。
C 良好
●課題で取り上げた事例について、具体的な洞察と気づきを得ている。
科目の学習内容について、良く整理されている。
D 最低ライン
●3つの課題は、一通り行っている。
●科目の学習内容について、概ね整理されている。