まさに円熟の投球。黒田は変化球主体の組み立てで首位巨人を完封した(撮影・鳥越瑞絵)【拡大】
(セ・リーグ、広島3-0巨人、2回戦、1勝1敗、2日、マツダ)“黒田コール”が響く中、白球が丸のグラブに収まるのを見届けると、広島・黒田は小さく右拳を握った。41歳のベテラン右腕が日本では3226日ぶりとなる完封。好調だった首位巨人打線を翻弄した。
「1人でも(多く)投げようかなと思っていたし、結果的に最後まで投げることができてよかった。リリーフも温存できたし、またあしたからカープらしい野球ができると思う」
七回まで1安打のみの完璧な投球。唯一のピンチは八回だった。堂上、村田に連打を浴び無死一、二塁。それでも小林誠をフォークでスリーバント失敗とさせると、代打・片岡は140キロのツーシームで狙いどおりに二ゴロ併殺にした。
「自分のスタイルを貫いても勝てなかったら意味がない。スタイルは日々変わっていく」と、柔軟に投球スタイルを対応させた。120球を投げて、直球はわずか1球のみで、代名詞のツーシームを含めても計20球。スライダー、フォークにカーブなどを織り交ぜ、凡打の山を築いた。ギャレットには左打者の内角に食い込むカットボールを効果的に使い、3打数無安打に抑えこんだ。